パンクロック
1970年代半ばに成立した、シンプル・高速・反抗的な姿勢のロック。
まずはここから
ひとことで言うと1970年代半ばに成立した、シンプル・高速・反抗的な姿勢のロック。
まずはこの曲からSex Pistols — Anarchy in the U.K. ▶ YouTube
代表的な人Ramones
どんな音か
とにかく速い。速い曲はBPM150〜180(1分あたりの拍数のことで、多いほど速い)で駆け抜け、ハードコア寄りでは200近くまで上がる。長くてもたいてい3分以内だ。ギターのコード進行はごく単純で、よく「3コード」と象徴される。それを8ビートの直線的なリズムに乗せて叩きつける。歌は怒り、皮肉、退屈、政治批判、絶望を、自分の内面ではなく外の世界へ向けてストレートに叫ぶ。うまさより勢いを重んじるのが流儀で、楽器が下手でもバンドを組めるという思想がジャンルの核だ。だから録音はあえて粗っぽく(=ローファイ)、別録りした演奏を重ねて分厚くする加工(オーバーダブ)も最小限に抑える。
聴きどころ
まず曲の短さと、その中にぎゅっと収まった展開に注目したい。イントロからサビまでが2分ほどに収まり、必要以上に繰り返さない潔さがある。歌詞の刺々しさ、そしてギターは歪んでいるのに案外コードはシンプル、という点も聴きどころだ。ライブでは、客が押し合う(モッシュ)・舞台から客席へ飛び込む(ステージダイブ)といった熱気や、演者と客の距離の近さまでもが音楽の一部になっている。
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、Ramones『Blitzkrieg Bop』(1976)。「Hey ho, let's go!」のシンプルさで「パンクとは」が分かる。イギリスなら、Sex Pistols『Anarchy in the U.K.』(1976)。日本なら、THE BLUE HEARTS『リンダリンダ』(1987)は、パンクの衝動が日本語の歌でどこまで届くかを示した国民的アンセムだ。一方、ザ・スターリンは日本初期パンクを代表するバンド。過激なステージで知られ、アルバム『STOP JAP』(1982)に詰まった短く激しい曲が、ブルーハーツの開かれた明るさとは対照的な、剥き出しの攻撃性をぶつける。両極を並べて聴くと、パンクの幅広さが見えてくる。
代表アーティスト
- Ramones
- Sex Pistols
- The Clash
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- Rise Against
- IDLES
- Turnstile
代表曲
- Sex Pistols — Anarchy in the U.K. (1976)
- Ramones — Blitzkrieg Bop (1976)
- Sex Pistols — God Save the Queen (1977)
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- Ramones — Sheena Is a Punk Rocker (1977)
- The Clash — London Calling (1979)
- The Clash — Should I Stay or Should I Go (1982)
生まれた背景
1974〜77年、ニューヨーク(CBGB)とイギリスロンドン(100 Club、Roxy)で立ち上がった。先行したのはRamonesやTelevisionを擁するニューヨーク側で、その動きが主にイギリスのシーンを刺激したとされる(相互の影響関係には諸説ある)。
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アメリカ合衆国では芸術家肌のTelevisionやPatti Smithが、イギリスでは社会への怒りをぶつけるSex PistolsやThe Clashが核となった。Sex Pistolsの『God Save the Queen』(1977)は、エリザベス女王の即位25周年(シルバー・ジュビリー)で国中が祝賀ムードだった年に、その女王を皮肉る内容で発売され大論争を巻き起こした。これによりパンクは、単なる音楽の話題を超えて、社会を騒がせる存在として広く知られるようになる。その後ジャンルは、速さを突き詰める方向と、聴きやすさを取り込む方向に枝分かれしていく。アメリカ合衆国では演奏をさらに速く激しくしたハードコア・パンク(Bad Brains、Black Flag、Minor Threat)が1980年前後に台頭。イギリスではパンク第一波と地続きの1978年前後から、労働者階級の声を合唱型で代弁するオイ・パンク(Sham 69、Cockney Rejects)が生まれた。1990年代にはGreen Day、Offspring、Rancidらが、アメリカ合衆国西海岸発の聴きやすく旋律的なポップ・パンクでジャンルを世界規模に広めた。
その後の代表曲
- Rise Against — Savior (2008)
- IDLES — Never Fight a Man with a Perm (2018)
- Turnstile — Blackout (2021)
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- Amyl and the Sniffers — Knifey (2021)
日本との関係
豆知識
「Punk」はもとは英語で「役立たず」「ちんぴら」「無価値な人間」を指す軽蔑語。1970年代の若者が、社会から「punk」と呼ばれることを逆手に取り、自分たちの音楽の名前に転用した。
影響・派生で結ばれたジャンル
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
パンクロックが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
