ヒップホップ・R&B

コンテンポラリーR&B

Contemporary R&B

アメリカ合衆国 / 北米 · 1986年〜

1980年代後半以降の、Hip Hop・Funk・Pop・Electronicを取り込んだR&Bの現代形。

どんな音か

コンテンポラリーR&Bは、ソウルの歌心を残しながら、ヒップホップのビート、ポップのサビ、電子音の質感を取り込んだ音楽。ドラムはタイトで、ベースは低く滑らか。歌はメロディをまっすぐ歌うだけでなく、細かいフェイク、息混じりの声、多重コーラスで感情を近くに寄せる。Mariah Careyの軽い高音、Usherのダンス感、The Weekndの暗いシンセ感まで幅が広い。

生まれた背景

1980年代後半以降、ニュー・ジャック・スウィングヒップホップ・ソウル、90年代R&B、2000年代のクラブ・ポップが重なって現在の形になった。アメリカ合衆国の黒人音楽を土台にしつつ、MTV、ラジオ、プロデューサー文化、サンプリング技術が音を変えた。歌手だけでなく、ビートメイカーやミックスの質感が曲の顔になる時代のR&Bである。

聴きどころ

声の装飾とビートの隙間を聴くとよい。サビで大きく伸ばす声より、Aメロの低い息遣い、語尾の揺らし方、コーラスが後ろで厚くなる瞬間にR&Bらしさが出る。ドラムは派手に叩くより、キックとスネアの間に身体を沈めるグルーヴを作る。

代表アーティスト

  • Mariah Careyアメリカ合衆国 · 1990年〜
  • TLCアメリカ合衆国 · 1990年〜
  • Usherアメリカ合衆国 · 1991年〜
  • Beyoncéアメリカ合衆国 · 1997年〜
  • The Weekndカナダ · 2009年〜

代表曲

日本との関係

日本のJ-R&BやJ-POPにも大きく影響した。90年代後半以降、宇多田ヒカル、MISIA、久保田利伸以降のR&B系歌手、ダンスボーカルグループがこの語法を取り入れた。カラオケでは歌唱力を示す曲としても愛され、フェイクやコーラス処理は日本ポップ制作にも定着している。

初めて聴くなら

90年代のサンプル感とポップさなら「Fantasy — Mariah Carey (1995)」。グループの掛け合いと時代のビートなら「No Scrubs — TLC (1999)」。2000年代のクラブR&Bは「Yeah! — Usher (2004)」、暗いシンセポップ寄りの入口は「Blinding Lights — The Weeknd (2019)」が分かりやすい。

豆知識

コンテンポラリーR&Bのcontemporaryは、古いR&Bと区別するための現代的という意味で使われる。時代が進むたびに中身が更新されるため、80年代末、90年代、2010年代では同じ名前でも音の手触りがかなり違う。

影響・派生で結ばれたジャンル

コンテンポラリーR&Bを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1986年前後 (±25年)

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