ヒップホップ・R&B

ネオソウル

Neo-Soul

アメリカ合衆国 / 北米 · 1994年〜

1990年代に成立した、古典的Soulへの回帰とHip Hop感覚を併せ持つR&B。

どんな音か

1990年代後半に成立した、伝統的ソウルヒップホップジャズ、エレクトロニカを取り入れた現代R&B。BPM 70〜100。エレキピアノ(フェンダー・ローズ)、ハモンドオルガン、ベース(エレキとアコースティック両方)、ドラム(キックとスネアの位置が独特)、ホーンセクション。ヴォーカルはメリスマを多用しつつも語りに近い親密さ。歌詞は内省的、自己肯定、社会的メッセージ、恋愛の細やかさ。録音はヴィンテージ機材を意識したアナログ感を残す。

生まれた背景

1995〜97年、フィラデルフィアのRoots、ブルックリンのD'Angelo、エリカ・バドゥらが「ネオ・ソウル」を体現。プロデューサーのJay Dee(J Dilla)、?uestlove(Roots)、Q-Tip(A Tribe Called Quest)らが裏方として支えた。1996年のマクスウェル『Urban Hang Suite』、1997年のエリカ・バドゥ『Baduizm』、2000年のD'Angelo『ハイチ・ヴォドゥ音楽』が三大金字塔。2010年代以降はジャザル(R&Bジャズ)寄りのRobert Glasper、Anderson .Paak、Thundercat、Hiatus Kaiyote、SAULTへ続く系譜。

聴きどころ

ドラムが「ジャスト」(機械的に正確)ではなく、わずかにグリッド前後にずれる「J Dilla感」(ジ・デイラ感)。ヴォーカルがメリスマを使いながらも、決して歌い上げず、聴き手に近い距離で歌う質感。コードはジャズ的なテンション(11th, 13th)が多用される。

代表アーティスト

  • Lauryn Hillアメリカ合衆国 · 1988年〜
  • Erykah Baduアメリカ合衆国 · 1994年〜
  • D'Angeloアメリカ合衆国 · 1995年〜
  • Solangeアメリカ合衆国 · 2001年〜

代表曲

日本との関係

宇多田ヒカル『First Love』(1999)以降、日本のR&BシーンはNeo Soulの感覚を完全に内面化した。MISIA、平井堅、JUJU、Crystal Kay、Salyu、bird、UA、SOIL & PIMP SESSIONS、Cero、wonk、Tempalayなど、ネオソウルを下敷きにしたアーティストは多い。

初めて聴くなら

1枚だけ聴くなら、D'Angelo『ハイチ・ヴォドゥ音楽』(2000)。「Untitled (How Does It Feel)」の長尺グルーヴは至福。続けて、Erykah Badu『Baduizm』(1997)、Maxwell『Urban Hang Suite』(1996)。最近のものなら、Anderson .Paak『Malibu』(2016)。

豆知識

「Neo Soul」という言葉は、1995年頃にKedar Massenburg(モータウン・レコードの元社長)がマクスウェル、エリカ・バドゥ、D'Angeloらをまとめて売り出すマーケティング・タームとして発明したもの。当事者(エリカ・バドゥら)はこの呼称をあまり好まない。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代1970年代1990年代2010年代ネオソウルネオソウルソウルソウルヒップホップヒップホップUKソウルUKソウル凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ネオソウルを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1994年前後 (±25年)

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