ヒップホップ・R&B

ソウル

Soul

アメリカ合衆国 / 北米 · 1955年〜

別名: Soul / R&B / Rhythm and Blues / R'n'B

1950年代後半〜60年代にアメリカで成立。GospelとR&B、Bluesを融合させた感情表現豊かな音楽。

どんな音か

ゴスペル由来の歌唱(コブシ、シャウト、メリスマ)と、リズム&ブルースのバンド演奏が結合した黒人ポピュラー音楽。BPMは70台のバラードから130台のアップテンポまで幅広い。エレキギター、ベース、ドラム、ホーン(ホーンズ)、オルガン、ピアノが基本編成。バックコーラス(女性3人組が多い)が常に存在し、ボーカルとの掛け合いが曲の大半を作る。歌詞は恋愛、別れ、抗議、信仰、自己肯定。録音はミックスでボーカルを最前面に置き、ベースとキックを下から押し上げる。

生まれた背景

1950年代後半、米国南部メンフィスのスタックス、デトロイトのモータウン、ニューヨーク/フィラデルフィアのアトランティックなど複数の都市で同時多発的に成立。レイ・チャールズ、サム・クック、ジェイムス・ブラウン、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、カーティス・メイフィールド、アル・グリーン、ダニー・ハサウェイが世代を更新した。1970年代にフィリー・ソウル、ディスコファンクへ分岐し、1980年代以降のクワイエット・ストーム、ニュー・ジャック・スウィング、ネオ・ソウルへとつながる。

聴きどころ

歌い手のメリスマ(一音節を複数の音で歌う技巧)、サビでバックコーラスが入る瞬間、ホーンセクションのキメ。スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイのアルバムを通しで聴くと、社会的メッセージと音楽性の両立が分かる。スタックス系(メンフィス)はギターが鋭く前に出て、モータウン系(デトロイト)はベースとピアノが軽快、フィラデルフィア系はストリングスが厚い。

音楽的特徴

楽器声、ホーンセクション、エレキピアノ、ベース、ドラム

代表アーティスト

  • Ray Charlesアメリカ合衆国 · 1947年〜2004
  • Sam Cookeアメリカ合衆国 · 1951年〜1964
  • James Brownアメリカ合衆国 · 1953年〜2006
  • Aretha Franklinアメリカ合衆国 · 1956年〜2017
  • Otis Reddingアメリカ合衆国 · 1958年〜1967
  • Marvin Gayeアメリカ合衆国 · 1961年〜1984
  • Stevie Wonderアメリカ合衆国 · 1962年〜
  • Sly and the Family Stoneアメリカ合衆国 · 1966年〜1983

代表曲

日本との関係

1970年代、山下達郎、大滝詠一、シュガー・ベイブの世代が米ソウル/フィリー・ソウルを直接の参照点にした。1990年代以降、宇多田ヒカル、MISIA、平井堅、UA、椎名林檎、JUJUがR&B/ソウル系のヴォーカル文法で評価された。ジョン・レジェンドは過去に複数回来日して、宇多田ヒカルやMISIAとの交流を語っている。

初めて聴くなら

ソウルの起点を1曲なら、Aretha Franklin『Respect』(1967)。声で部屋の空気が変わる経験。アルバムなら、Marvin Gaye『What's Going On』(1971)。社会派ソウルの最高峰。バラードなら、Sam Cooke『A Change Is Gonna Come』(1964)。Stevie Wonder『Innervisions』(1973)はソウルの全可能性を1枚に詰めた金字塔。

豆知識

モータウンは創業者ベリー・ゴーディーが「Motor Town(モーター・タウン=デトロイト)」を縮めた造語。スタックスは創業者の姉弟Stewart & Estelle Axtonの頭文字を組み合わせたもの。1960年代の米国南部・北部の人種隔離のなか、スタックスは黒人と白人の演奏家が同じスタジオで録音した数少ない場として有名。

影響・派生で結ばれたジャンル

ソウルを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1955年前後 (±25年)

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