エレクトロニック

LAビート・シーン

LA Beat Scene

ロサンゼルス / アメリカ合衆国 / 北米 · 2006年〜

別名: Future Beats / Brainfeeder

ロサンゼルスの「Low End Theory」クラブ周辺で2006年頃形成された、Hip Hop・Jazz・IDMを横断するインスト系電子音楽。

どんな音か

LAビート・シーンは、ヒップホップのビートを土台に、ジャズ、IDM、サイケデリックな電子音を混ぜたロサンゼルスの音楽。ドラムはよれ、ベースは太く、シンセは宇宙的にうねる。Flying Lotusの作品では、短いビートが次々に姿を変え、Thundercatのベースは歌うように跳ねる。ラップのためのトラックでありながら、インストだけで十分に景色がある。

生まれた背景

2000年代半ば、ロサンゼルスのクラブイベントLow End Theory周辺で形成された。J Dilla以後のビート感覚、LAのジャズ奏者、電子音楽の実験性が近い距離で混ざり、ビートメイカーが主役になる場が生まれた。インターネット、ビートテープ、クラブの低音環境がこのシーンを押し広げた。

聴きどころ

ドラムがきっちり格子に乗らず、少し遅れたり前のめりになったりする揺れを聴く。ベースは単なる低音ではなく、曲のメロディを引っ張ることが多い。短いループが突然ジャズの和音や電子ノイズに変わるので、曲の長さより密度を楽しむとよい。

発展

Flying LotusのBrainfeeder設立(2008)を経て国際的展開。日本では渋谷のクラブシーンと結合し、Sweet Williamらが受容。

出来事

  • 2006: Low End Theory開始 / 2008: Flying Lotus『Los Angeles』 / 2010: 『Cosmogramma』 / 2017: Thundercat『Drunk』

派生・影響

Wonky、Glitch Hop、Future Funk、Lo-fi Hip Hopとリンク。

音楽的特徴

楽器MPC、サンプラー、DAW、ベース、シンセ

リズム70-100 BPM、よれたグルーヴ、ハーフタイム

代表アーティスト

  • Daedelusアメリカ合衆国 · 2002年〜
  • Thundercatアメリカ合衆国 · 2002年〜
  • Flying Lotusアメリカ合衆国 · 2005年〜
  • Hudson Mohawkeイギリス · 2005年〜
  • Nosaj Thingアメリカ合衆国 · 2006年〜

代表曲

日本との関係

日本ではビートミュージック、インスト・ヒップホップジャズ系クラブイベントのリスナーに強く届いた。Flying LotusやThundercatは来日公演でも人気が高く、日本のビートメイカーにも影響を与えた。MPCやAbletonで作る個人制作の感覚とも相性がよい。

初めて聴くなら

シーン全体の密度を浴びるなら「Cosmogramma — Flying Lotus (2010)」。よりビートテープ的な入口は「Los Angeles — Flying Lotus (2008)」。ベースと歌の楽しさから入るなら「Drunk — Thundercat (2017)」がよい。

豆知識

Low End Theoryという場の名前どおり、低音の鳴りがこのシーンの重要な身体感覚だった。家で聴く緻密な電子音楽であり、同時にクラブのサブベースで体に当てる音楽でもある。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1970年代1990年代2000年代LAビート・シーンLAビート・シーンヒップホップヒップホップIDMIDMウォンキーウォンキー凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
LAビート・シーンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 2006年前後 (±25年)

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