ラテン・カリブ

レゲトン

Reggaeton

プエルトリコ / カリブ海 · 1995年〜

1990年代にプエルトリコで成立した、Dembowリズムとスペイン語のラップ・歌のラテン音楽。

どんな音か

BPM 90〜100。ジャマイカ起源の「dembow」と呼ばれる「ボン・カ・ボン・カ」の打楽器パターンが楽曲全体を支配する。エレキ・シンセベース、808キック、シンセのフレーズ、男性ラップ/歌唱と、女性ヴォーカル。歌詞はスペイン語が大半、テーマは恋愛、ストリート、パーティー、女性の身体への直接的描写。コール&レスポンス、合いの手(dale, papi, oye など)が多い。録音は重低音とパーカッションが前面、ボーカルにはオートチューンがかかることも多い。

生まれた背景

1990年代前半、パナマでスペイン語のレゲエダンスホールが「reggae en español」として発展した。プエルトリコでDaddy Yankee、Tego Calderón、Don Omar、Wisin & Yandelらが2000年代前半に「reggaeton」として標準化。2004年のDaddy Yankee『Gasolina』が世界化のきっかけ。2010年代後半、Bad Bunny、J Balvin、Karol G、Ozunaが英語圏のチャートを征服した。Bad Bunnyの『YHLQMDLG』(2020)はBillboard 200の歴代最高位を取ったスペイン語アルバム。

聴きどころ

「dembow」リズムの聴き分け(4拍子の中で「ボン・カ・ボン・カ」と一定)、ベースとキックの噛み合い、コール&レスポンス、女性ヴォーカルとの掛け合い。最近の曲ではトラップアフロビーツハウスとの混合も多く、純粋なdembowではない曲もある。

音楽的特徴

リズムDembowリズム、4/4

代表アーティスト

  • Daddy Yankeeプエルトリコ · 1991年〜
  • Ivy Queenプエルトリコ · 1995年〜
  • Luis Fonsiプエルトリコ · 1998年〜
  • Don Omarプエルトリコ · 2002年〜
  • J Balvinコロンビア · 2009年〜
  • Ozunaプエルトリコ · 2012年〜
  • Bad Bunnyプエルトリコ · 2013年〜
  • Karol Gコロンビア · 2013年〜
  • Anuel AAプエルトリコ · 2014年〜

代表曲

日本との関係

2000年代後半以降、Daddy Yankee、Don Omarの来日もあり、日本のラテン・クラブで定着。最近はBAD HOPやAwich、JP THE WAVYなど、日本人ラッパーがレゲトンのリズムを直接取り入れた曲をリリースしている。Latin Music Tokyo、サルサ Caribe(ライブハウス)など固定の場もある。

初めて聴くなら

起点を1曲なら、Daddy Yankee『Gasolina』(2004)。最近のレゲトンを掴むなら、Bad Bunny『Tití Me Preguntó』(2022)、Karol G『Provenza』(2022)。クラブで踊りたいなら、J Balvin『Mi Gente』(2017)。

豆知識

「dembow」リズムのもとは、1990年のシャバ・ランクスのレゲエ曲『Dem Bow』のドラム・パターン。これがパナマ・プエルトリコのプロデューサーに繰り返しサンプルされ、現在のレゲトンの心臓部になった。1曲のドラム・パターンが世界のチャートを30年支配しているという、音楽史上珍しい例。

影響・派生で結ばれたジャンル

レゲトンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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