エレクトロニック

ディスコ

Disco

ニューヨーク / アメリカ合衆国 / 北米 · 1970年〜

1970年代の米国で成立した、4つ打ちと豪華なオーケストレーションを特徴とするダンスポップ。

どんな音か

BPM 110〜130の四つ打ちキック、ベースが「オクターブ・ベース」で1拍ごとに上下、ストリングスとホーンセクションが分厚く重ねられた、ダンスフロアのための音楽。ハイハットが裏拍8分で「シャカ・シャカ」、ギターは「カッティング」(短く刻む)、ピアノは小気味よくコードを散らす。歌は男女両方、サビで合唱になることが多い。曲尺は5〜10分のロング・バージョンが主流で、DJがフェードイン/アウトで延々と繋ぐためのフォーマット。録音はオーケストラ規模の編成を、クラブのサウンドシステムで音圧を保ったまま鳴らすマスタリングが特徴。

生まれた背景

1970年代前半、ニューヨークの黒人・ラテン系・ゲイ・コミュニティのアンダーグラウンド・クラブ(Loft、Sanctuary、Continental Baths)から生まれた。フィラデルフィア・ソウルの分厚いストリングスと、ファンクのリズム、ラテン音楽のパーカッションを混ぜた音楽が、四つ打ちキックの導入で「ノンストップで踊れる」新しい形になった。1977年のジョン・トラヴォルタ主演映画『サタデー・ナイト・フィーバー』で世界化、1979年のシカゴ・「ディスコ Demolition Night」(人種・同性愛差別を背景としたディスコ反対運動)で表面的には終焉を迎えるが、ハウステクノ、ガラージへ受け継がれていく。

聴きどころ

オクターブ・ベース(同じ音を1オクターブ上下に行き来する)、ハイハットの裏拍、ストリングスのスウィープ、ギターのカッティング、ホーンセクションのキメ。ダンスフロアでDJがいかに2曲を重ねるかを意識すると、長尺の曲構造の意図が分かる。

代表アーティスト

  • Bee Geesイギリス · 1958年〜2003
  • Michael Jacksonアメリカ合衆国 · 1964年〜2009
  • Donna Summerアメリカ合衆国 · 1968年〜2012
  • The Trammpsアメリカ合衆国 · 1972年〜
  • Chicアメリカ合衆国 · 1976年〜

代表曲

日本との関係

1970年代後半、新宿・六本木・赤坂のディスコブーム。マハラジャ、ジュリアナ東京(1991〜94)まで含めて日本ディスコ文化は2世代続いた。竹内まりや『Plastic Love』、山下達郎『SPARKLE』、シティポップの象徴とされる楽曲群はディスコのリズム文法と直結している。海外で「Citypop」が再発見されたのは2010年代後半のYouTubeアルゴリズム経由で、アジア/ラテンアメリカ合衆国の若年層から火が付いた。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Donna Summer『I Feel Love』(1977)。ジョルジオ・モロダー作のシンセ・ベースが「ダンス音楽の未来」を全部予言した曲。アルバムなら、Chic『C'est Chic』(1978)。日本のものなら、竹内まりや『Plastic Love』(1984)で、シティポップディスコの結節点が分かる。

豆知識

ディスコ」はフランス語の「discothèque」(ディスコテーク=レコードを聴く場所)から。1979年7月12日、シカゴの野球場で行われた「ディスコ Demolition Night」では数万枚のディスコ・レコードが爆破され、暴動寸前の事態になった。これをきっかけに「ディスコは死んだ」と言われたが、実際にはハウステクノとして地下に潜って生き延びた。

影響・派生で結ばれたジャンル

ディスコを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1970年前後 (±25年)

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