ロック
1960年代に成立した、Rock and Rollを発展させたエレキギター主体の音楽群の総称。
どんな音か
エレキギター(1〜2本)、ベース、ドラム、ボーカルのバンド編成が基本。BPMは100〜170と幅広い。ギターには歪んだ音(ディストーション)と歪まない澄んだ音(クリーン)があり、その対比が表情を生む。曲の中心となるフレーズ(リフ)と即興のソロが、聴かせどころの両輪だ。ドラムは8分音符を刻みつつ2拍目と4拍目でスネアを強く打つ「8ビート」が標準で、ベースはギターのルート音をたどる。歌は、歌い出しのAメロ(最初の歌部分)では語るように、サビでは張り上げ、クライマックスでは絶叫と、振れ幅が大きい。曲構造はAメロからBメロを経てサビへ向かうのが基本だが、プログレやハードロックは長尺の展開も多い。録音の質感は時代ごとに違うが、打ち込みが主流の今も、バンドのメンバーが同じ部屋で同じ一拍を鳴らす——その手応えこそ、ロックが手放さなかったものだ。
生まれた背景
1955年前後、米国南部でロックンロール(ロック・アンド・ロール)として誕生。エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、リトル・リチャードがブルース、カントリー、R&Bを若者向けに加速した。1960年代を通じて、ビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フーら英国勢が加わり、呼び名は「rock and roll」の短縮形「ロック」へと移って、音楽性の幅も広がった。1970年代、レッド・ツェッペリンらが音量と曲尺を巨大化させたが、1976〜77年のパンクがそれを一度壊して原点へ引き戻し、1990年代にはニルヴァーナが内省と轟音でロックを再定義した。2000年代以降、ヒットチャートの主役はヒップホップやポップへ移ったが、ギター・ベース・ドラムという編成は途切れず作られ続けている。
聴きどころ
まず耳を向けたいのはリフだ。どれだけ覚えやすく、どれだけ強いか——口ずさめてしまうリフが名曲の入口になる。次に、ボーカルとギターソロのバトン渡し、Bメロで緊張を高めてサビで一気に解き放つ流れ、ドラマーのフィル(パターン外の装飾)の入れ方も聴きどころだ。音色はギターとアンプの組み合わせで変わる。テレキャスター(明るい音のギター)をVoxのアンプにつなぐと、きらきらと鈴を転がすような響きになり、これはビートルズ初期の音。一方レス・ポールをマーシャルにつなぐと、太く歪んだ厚い音になり、これはレッド・ツェッペリンの音だ——同じ六弦でも、組み合わせ一つで別物になる。ドラマーの個性も同じフィル一つで表れる。重く叩き込むジョン・ボーナム(愛称ボンゾ、レッド・ツェッペリン)、手数で埋めるキース・ムーン、整然と叩くデイヴ・グロール——同じ装飾がまるで別物に聞こえる。
音楽的特徴
楽器エレキギター、ベース、ドラム、声
リズムを聴く
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
代表アーティスト
- The Beatles
- The Rolling Stones
- Jimi Hendrix
- The Who
- The Doors
- Queen
- The Doobie Brothers
- The Police
代表曲
- (I Can't Get No) Satisfaction — The Rolling Stones (1965)
- Hey Jude — The Beatles (1968)
- Baba O'Riley — The Who (1971)
- Stairway to Heaven — Led Zeppelin (1971)
- Bohemian Rhapsody — Queen (1975)
日本との関係
初めて聴くなら
まず1曲なら、The Rolling Stones『(I Can't Get No) Satisfaction』(1965)。リフの破壊力で型がつかめる。1枚なら、Led Zeppelin『IV』(1971)。約42分で1970年代ハードロックの要素がひと通り詰まっている。1990年代なら、Nirvana『Nevermind』(1991)で轟音と内省が同居する瞬間に出会える。2000年代以降のロックの広がりを知るなら、ロック復権の象徴となったThe Strokes『Is This It』(2001)。そしてロックがシンセへ越境した到達点として、Tame Impala『Currents』(2015)——これはサイケロックからシンセ主導のポップへ踏み出した一枚で、ロックの外縁にあたる。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 古典ミニマル・ミュージック
- ジャズフリージャズ
- エレクトロニックドローン・ミュージック
- ジャズモードジャズ
- 古典サード・ストリーム
- ラテン・カリブサルサ
- ヒップホップ・R&Bソウル
- エレクトロニックプロセス音楽
