ヒップホップ・R&B

ローファイ・ヒップホップ

Lo-fi Hip Hop

国際 / 北米 · 2013年〜

別名: Chillhop / Lo-fi Beats

2010年代後半YouTubeのライブストリーム文化「lofi hip hop radio - beats to relax/study to」で爆発的に広まった、Lo-fi志向のHip Hopインストゥルメンタル。

どんな音か

BPM 70〜90のヒップホップ電子音楽。ジャズ・ソウルからのサンプリング、フェンダー・ローズの電気ピアノ、シンセ・パッド、サブ・ベース、シンプルなドラム・パターン(2拍4拍にスネア)、テープ・ノイズ、ヴァイナル・クラックル、雨音などのフィールド・レコーディング。ヴォーカルはほぼ無し、歌付きの場合は控えめなフレーズ。曲尺は1〜3分の短さ、繰り返し聴くか流しっぱなしにすることが想定された設計。録音はわざとローファイ、テープのヒス、機械の唸りなどノイズを残す。

生まれた背景

2000年代後半、アメリカ合衆国のNujabes(瀬上譲治、日本人プロデューサー、2010年没)がアニメ『サムライチャンプルー』(2004)のサウンドトラックで日本ジャズヒップホップを融合した感覚が、世界的なLo-Fi Hip-Hopブームの原型。2010年代後半にYouTubeチャンネル「ChilledCow」(後にLofi Girl)が「lofi hip hop radio - beats to relax/study to」を24時間ライブストリーム配信、世界規模で「勉強・作業BGM」として消費が確立した。J Dilla、Madlib、DJ Shadow、Knxwledge周辺の本格的なヒップホップ・プロデューサー作品も同じ系譜。

聴きどころ

サンプリングされたジャズ・ソウルの「ループ」(2〜4小節の繰り返し)が無限に続く感覚。ドラムのシンプルなパターン(キックとスネアと閉じハイハット、それだけ)。テープ・ノイズ、雨音、ピアノの遠い響きなど「環境音」が音楽の一部。J Dilla(2006年没、ヒップホップ史上最も影響力のあるドラマー/プロデューサー)のドラム・タイミングの「揺らぎ」が、Lo-Fi Hip-Hopの全体感を決定づけた。

発展

コロナ禍2020年に「学習用BGM」として爆発的拡大、TikTok/YouTubeで定番BGMに。Spotifyプレイリスト「Lo-Fi Beats」も大規模な聴取量を持つ。

出来事

  • 2003: Nujabes『Metaphorical Music』 / 2006: J Dilla『Donuts』 / 2017: Lofi Girl 24/7配信開始 / 2020: コロナ禍で爆発的視聴拡大

派生・影響

Hip Hop、Nu-jazz、Vaporwave、Future Beats。

音楽的特徴

楽器MPC、サンプラー、DAW、ローパス・フィルター、ヴァイナルノイズ

リズム70-90 BPM、よれたグルーヴ、テープヒス

代表アーティスト

  • J Dillaアメリカ合衆国 · 1992年〜2006
  • Nujabes日本 · 1995年〜2010
  • Tomppabeatsフィンランド · 2014年〜
  • Lofi Girlフランス · 2015年〜

代表曲

日本との関係

Nujabes(瀬上譲治、1974〜2010)は世界的Lo-Fi Hip-Hopシーンの「先祖」と認識される、日本人プロデューサー。アニメ『サムライチャンプルー』(2004)のサウンドトラック『Departure』『Impression』が世界中の若者に届いた。2010年に36歳で交通事故で死去。日本ではNujabes、Shing02、Cradle Orchestra、Tha Blue Herb、Jazzanovaなど周辺の音楽が継承されている。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Nujabes『Aruarian Dance』(2004、『サムライチャンプルー』)。Lo-Fi Hip-Hopの世界的な源流。J Dilla『Donuts』(2006、彼の死の3日前にリリースされた遺作)、Knxwledge『Hud Dreems』(2015)、Lofi Girlの「lofi hip hop radio」も入口として良い。

豆知識

Lofi Girl(旧ChilledCow)のYouTubeライブストリーム「lofi hip hop radio - beats to relax/study to」(2017〜)は、ピーク時に同時視聴者60万人を超える、YouTube史上最大級のライブストリーム。緑の髪のアニメ少女が勉強しているループ動画は、現代の若者文化のアイコンとなった。Nujabesは生前ほとんど顔出しせず、彼の死後にアメリカ合衆国・欧州で「日本のNujabes」が伝説化された。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1970年代1990年代2010年代ローファイ・ヒップホップローファイ・ヒップホップヒップホップヒップホップニュー・ジャズニュー・ジャズ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ローファイ・ヒップホップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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国際 · 2013年前後 (±25年)

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