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エレクトロニック

ハウス

House

シカゴ / アメリカ合衆国 / 北米 · 1984年〜

1980年代のシカゴで、DiscoとElectronic Musicから派生したダンスミュージック。

どんな音か

ハウスの主な要素は次の通り。BPM120〜128の四つ打ちキック、短いフレーズ(1〜2小節)を繰り返すベースのループ、ピアノとシンセのコード、ソウルディスコファンクから取り込んだ音のかけら、そして女性ヴォーカルである。これらが四つ打ちの上で組み合わさる。ヴォーカルの幅は広く、短い言葉を語りかけるように繰り返すものから、歌い上げる本格的な歌唱までさまざまだ。テクノほど無機質ではなく、ディスコほど生楽器に頼らない。その中間で、機械音にも人肌のぬくもりが残る。曲の長さは5〜8分と長めで、DJがつなぎやすいようにできている。枝分かれが細かく、ディープ・ハウス(丸く深いベース)、テック・ハウス(テクノ寄りの硬さ)、ガラージ・ハウス(ソウルフルな歌もの)と、同じ四つ打ちの上で音色だけが入れ替わっていく。

生まれた背景

1980年代前半、アメリカ合衆国シカゴ。NYのContinental BathsなどでプレイしたDJ Frankie Knucklesがシカゴに移り、Warehouse(ウェアハウス。のちにPower Plant)というクラブで新しいサウンドを試した。もう一人の立役者がMusic BoxのRon Hardyで、この二人がシカゴのクラブシーンを牽引した。1970年代末にディスコ人気が急速に冷え込んだあと、その流れをくむ地下のクラブシーンで、初期はディスコソウルのレコードを再編集してフロアを温めるところから始まった。やがてJesse SaundersやLarry Heard、Marshall Jeffersonら作り手が、TR-808などのドラムマシンとシンセサイザーだけで一から曲を組み上げるようになり、要素を切り詰めたダンスミュージックとして確立する。初期作はDJ InternationalやTraxといったシカゴのレーベルから世に出た。1986年リリースのSteve Silk Hurley『Jack Your Body』は、1987年1月にハウスとして初めてイギリスシングルチャート1位を獲得。これを機にイギリスマンチェスター(クラブ「ハシエンダ」)へ伝播し、レイヴ/アシッド・ハウス・ブームへと発展した。同じドラムマシンから、都市ごとに音が分かれていく。1990年代にはニューヨークのMasters at Work(生楽器を大胆に混ぜる二人組)、パリのDaft Punkやレコードを刻んで組み直すDimitri from Parisが、それぞれの“訛り”(土地ごとの個性)を確立した。

聴きどころ

まずキックに耳を合わせたい。同じ音が休まず鳴り続ける、その単調さこそが推進力になる。次にキックの音色(808か、909か、後発のサンプル系か)とベースの噛み合い、そして取り込んだ(サンプリングした)声・ピアノ・ホーンが、どのタイミングで現れ、どこで消えるか。フィルターの開け閉めでベースの明るさが刻々と変わるのも聴きどころだ。さらに、DJが2曲を長く重ね合わせていく「ロング・ブレンド」という手法の心地よさも味わいたい。

音楽的特徴

楽器ドラムマシン(TR-909)、シンセサイザー、サンプラー

リズム4つ打ち、120-130 BPM

リズムを聴く

このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。

四つ打ち · 124 BPM

代表アーティスト

  • Frankie Knucklesアメリカ合衆国 · 1977年〜2014
  • Joe Smoothアメリカ合衆国 · 1985年〜
  • Larry Heardアメリカ合衆国 · 1985年〜
  • Marshall Jeffersonアメリカ合衆国 · 1986年〜
  • Daft Punkフランス · 1993年〜2021

代表曲

日本との関係

1990年代の渋谷BLUE(後のWOMB)、新宿LIQUIDROOM、東京AGEHAでハウスのシーンが定着。Soft Ballet、ピッツィカto Five、Cornelius、Mondo Grosso、Towa Tei(元Deee-Lite)、DJ KAWASAKI、KASKADE、Studio Apartmentと、日本人プロデューサー陣が世界的にも評価された。渋谷系の一部は明確にハウスの編集感覚を引いている。

初めて聴くなら

まず聴くなら次の曲。起点はFrankie Knuckles『Your Love』(1987、Jamie Principleとの共作。原型の録音は数年前からクラブで流通していた)。深さを知るならLarry Heard『Can You Feel It』(1986、Mr. Fingers名義)、声の艶なら誰もがどこかで耳にしたあのフックを持つRobin S『Show Me Love』(1993)、現在につながる一曲なら、ポップの顔をしたハウスとしてDisclosure『Latch』(2012、Sam Smith参加)。

豆知識

ハウス」はクラブWarehouse(ウェアハウス)に由来する——この点では諸説が一致するが、語が短縮された経緯には複数の説がある。有力な説では、シカゴのレコード店「Importes Etc.」が、Warehouseで人気の曲だと客に分かるようまとめて棚に並べて売っていたのが始まりとされ、それが後に「ハウス music」へと縮まったという。

影響・派生で結ばれたジャンル

ハウスを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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アメリカ合衆国 · 1984年前後 (±25年)