ゴム
2010年前後ダーバンのタウンシップで生まれた、暗く重たい4/4キックとミニマルなパーカッションが特徴の南アフリカ・ストリート・エレクトロ。
どんな音か
南アフリカ・ダーバン発のミニマルなダンス音楽。BPM 120〜130。ドラムマシンの硬質なキック、シンセ・ベースの低音、ハイハットの細かい刻み、暗いシンセ・パッドの繰り返し。ヴォーカルはほとんど無し、サンプルされた短い掛け声、ズールー語のフレーズ、コーラスが時々挿入。曲尺は4〜6分。録音はとにかく低音重視、ダーバンのタクシー(都市部のミニバス・タクシー)から流れる音を意識した粗いマスタリング。
生まれた背景
聴きどころ
ベースの「ボン・カ・ボン」というシンプルなパターン。シンセが歪んだ「ジャジャジャ」というリフを延々と繰り返す独特の構造(西洋電子音楽より反復が長い)。ヴォーカルが入っても、ほとんど音響的な装飾扱い。クラブで大音量で聴かないと、音楽の本体が伝わりにくい。
発展
2014年ロサンゼルス・レーベル「ロサンゼルス・スーパー・ロウ」と英国「ローヤル」が国際盤を出し、グライムやベース・ミュージックと並列に紹介された。2018年ビヨンセ『ライオン・キング ザ・ギフト』への参加でメインストリーム化が一気に進む。
出来事
- 2010: ダーバンの DJ ナクラニ初期作品
- 2014: 「Gqom Oh!」コンピレーション国際発売
- 2018: ビヨンセ『ライオン・キング ザ・ギフト』
- 2020: アマピアノとの共生関係
派生・影響
クワイト、アフロ・ハウス、グライム、後のアマピアノに影響。
音楽的特徴
楽器ドラムマシン、サンプラー、シンセ、声
リズム暗いシンセ、4/4キック、断片的詠唱
代表アーティスト
- DJ Lag
- Distruction Boyz
代表曲
- Ice Drop — DJ Lag (2016)
Omunye — Distruction Boyz (2017)
Khona — DJ Lag (2018)
8AM in Durban — DJ Lag (2019)
Ngiyaz'fela Ngawe — Distruction Boyz (2017)
日本との関係
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、DJ Lag『Stampede』(2017)。海外進出のきっかけとなった代表曲。Distruction Boyz『Omunye』(2017)もシーン定番。コンピレーションなら『Gqom Oh!』シリーズ(2015〜)。
豆知識
「Gqom」はズールー語で「ドラム」「打音」を意味する。ジャンル名そのものが擬音から来ている、という珍しいパターン。ダーバンの公共交通(ミニバス・タクシー)で大音量で流れることが、若者にとってのジャンル体験の中心だった、というシーン形成の背景がある。
