グランジ
1980年代末〜90年代初頭のシアトルで成立した、PunkとHard Rockを融合した荒々しいロック。
どんな音か
BPM 100〜140、エレキギター2本+ベース+ドラム+ヴォーカルの4ピース。ハードロックの歪んだギターを「もっと汚く、もっと内省的に」した音色。Aメロは静かでクリーン、サビで一気に歪み爆発、というダイナミクスが定型。歌は喉を絞った絶叫と語りに近いトーンを行き来する。歌詞は不安、自己嫌悪、社会への違和感、抑うつ。録音はわざと粗さを残し、コーラス処理は最小限。フランネル・シャツとボロボロのジーンズという服装も様式の一部。
生まれた背景
1980年代後半、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル周辺のインディー・シーンで成立。Sub Popレーベルが地元バンドを集約し、Mudhoney、Soundgarden、Mother Love Boneらが基盤を作った。1991年9月のNirvana『Nevermind』が世界的に大ヒットし、グランジは突然メインストリームの中心になる。Pearl Jam、Alice in Chains、Stone Temple Pilotsが続いて成功。1994年4月のカート・コバーン(Nirvana)の自殺が事実上シーンの終焉を象徴する出来事になり、1996年のAlice in Chainsのレイン・ステイリーの活動停止以降、急速に主流から退いた。
聴きどころ
Aメロのクリーン・ギター(歪み無し、コードを単音で散らす)と、サビの歪み全開のパワーコードの落差。「Smells Like Teen Spirit」のイントロが象徴的。ヴォーカルが絶叫する瞬間に、ベースとドラムが「ドン!」と止まるリズム感。コーラスの代わりに、何度も同じフレーズを繰り返す構造も特徴。
代表アーティスト
- Soundgarden
- Alice in Chains
- Nirvana
- Pearl Jam
代表曲
- Man in the Box — Alice in Chains (1990)
- Alive — Pearl Jam (1991)
- Smells Like Teen Spirit — Nirvana (1991)
- Heart-Shaped Box — Nirvana (1993)
- Black Hole Sun — Soundgarden (1994)
日本との関係
初めて聴くなら
1枚だけ聴くなら、Nirvana『Nevermind』(1991)。ロック史上最も売れたアルバムのひとつ。続けて聴くなら、Pearl Jam『Ten』(1991)、Soundgarden『Superunknown』(1994)、Alice in Chains『Dirt』(1992)。アコースティックの真価を知るならNirvana『MTV Unplugged in New York』(1994)。
豆知識
「グランジ」は英語で「汚れ、垢」の意味。もともとシアトルのバンド評で「grungy(汚い音だが良い)」と書かれたのが定着した名前で、当事者(Nirvanaのメンバーら)はこのジャンル呼称を嫌っていた。カート・コバーンが愛用したフェンダー・ジャグスター/ジャズマスターは当時「売れ残りの不人気モデル」だったが、彼の影響で1990年代以降の主流ギターのひとつに復活した。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ロック・メタルインダストリアル・ロック
- ロック・メタルスラッジ・メタル
- ロック・メタルパワーヴァイオレンス
- ロック・メタルポスト・ハードコア
- ロック・メタルスロウコア
- ロック・メタルストーナー・メタル
- ロック・メタルブルータル・デスメタル
- ヒップホップ・R&BコンテンポラリーR&B
