ディープハウス
1980年代後半、シカゴ/ニューヨークで発展したハウスのサブジャンル。ジャズ・ソウル的和声と滑らかなテクスチャを特徴とする。
どんな音か
生まれた背景
1985〜86年のシカゴ。ラリー・ハードがMr. Fingers名義で発表した『Can You Feel It』『Mystery of Love』が源流。ニューヨークのKerri Chandler、Masters at Work、デトロイトのKenny Dixon Jr.(Moodymann)らが1990年代に発展させた。2010年前後のディープハウス・リバイバル(Disclosure、Maya Jane Coles、Larry Heard再評価)で世界的に再ブレイク。現在もイビサのSunset Ashram、ニューヨークのOutput(閉店)、ベルリンのWatergateなど大型クラブの定番。
聴きどころ
ジャズ風のコード進行(Dm7・G9・Cmaj7のような)。フェンダー・ローズのウォームな音色。歌い手のメリスマ(節回し)。ベースとキックの太さ。曲が始まって2〜3分かけて徐々にレイヤーが重なり、5分目あたりで頂点に達するパターン。
発展
2010年代中頃、UKのDisclosureらによる「ニュースクール・ディープハウス」が大衆化。さらにLo-Fi House/Tech Houseの母体ともなった。
出来事
- 1986: Mr. Fingers『Can You Feel It』 / 1989: Larry Heard『Sceneries Not Songs』 / 2013: Disclosure『Settle』
派生・影響
Tech House、Tropical House、Lo-fi House。
音楽的特徴
楽器TR-909、DX7、Rhodes、サンプラー
リズム118-125 BPM、4つ打ち、温かいパッド
代表アーティスト
- Disclosure
代表曲
- Can You Feel It — Larry Heard (1986)
- Latch — Disclosure (2012)
- F for You — Disclosure (2013)
- White Noise — Disclosure (2013)
- Omen — Disclosure (2015)
日本との関係
1990年代後半の東京WOMB、新宿NUTS、club Yellow、recent EAX(ageHa)、ENTERなど、東京のクラブシーンで定着。日本人プロデューサーではStudio Apartment、DJ KAWASAKI、Soichi Terada、Mondo Grosso、Towa Tei、Coastlines(神保町)が世界的にも知られている。
初めて聴くなら
源流を1曲なら、Mr. Fingers『Can You Feel It』(1986)。ヴォーカル系なら、Aly-Us『Follow Me』(1992)。最近のものなら、Disclosure『Latch』(2012)。日本のものなら、Studio Apartment『Aqua』、Soichi Terada『Sounds From the Far East』(1990s作、2015年再発)。
豆知識
Larry Heard(Mr. Fingers)は1986年のオリジナル録音時、まだコンピュータも使えず、ローランドのドラムマシンとシンセサイザーを直接プリセットで操作して作った。「Can You Feel It」のシンセ・ストリングスはRoland Juno-60のプリセットそのまま。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックテクノ
- ロック・メタルエモ
- エレクトロニックボールルーム/ヴォーグ・ビート
- ヒップホップ・R&BコンテンポラリーR&B
- ヒップホップ・R&Bブーンバップ
- ロック・メタルポスト・ハードコア
- ロック・メタルグランジ
- ロック・メタルインダストリアル・ロック
