エレクトロニック

ディープハウス

Deep House

シカゴ / アメリカ合衆国 / 北米 · 1985年〜

1980年代後半、シカゴ/ニューヨークで発展したハウスのサブジャンル。ジャズ・ソウル的和声と滑らかなテクスチャを特徴とする。

どんな音か

ハウスの一系統で、BPM 118〜124、テンポはやや遅め。ジャズのコード(7th、9th、11thのテンション)、ソウルのヴォーカル、フェンダー・ローズの電気ピアノ、深いベースライン、控えめなドラム。サウンドは「温かく」「内省的で」「夜遅い」と形容される。歌付きの場合、女性ヴォーカルがメロディアスに歌い上げる。ヴォーカル無しなら、長いインストルメンタル展開。曲尺は6〜10分と長い。

生まれた背景

1985〜86年のシカゴ。ラリー・ハードがMr. Fingers名義で発表した『Can You Feel It』『Mystery of Love』が源流。ニューヨークのKerri Chandler、Masters at Work、デトロイトのKenny Dixon Jr.(Moodymann)らが1990年代に発展させた。2010年前後のディープハウス・リバイバル(Disclosure、Maya Jane Coles、Larry Heard再評価)で世界的に再ブレイク。現在もイビサのSunset Ashram、ニューヨークのOutput(閉店)、ベルリンのWatergateなど大型クラブの定番。

聴きどころ

ジャズ風のコード進行(Dm7・G9・Cmaj7のような)。フェンダー・ローズのウォームな音色。歌い手のメリスマ(節回し)。ベースとキックの太さ。曲が始まって2〜3分かけて徐々にレイヤーが重なり、5分目あたりで頂点に達するパターン。

発展

2010年代中頃、UKのDisclosureらによる「ニュースクール・ディープハウス」が大衆化。さらにLo-Fi House/Tech Houseの母体ともなった。

出来事

  • 1986: Mr. Fingers『Can You Feel It』 / 1989: Larry Heard『Sceneries Not Songs』 / 2013: Disclosure『Settle』

派生・影響

Tech House、Tropical House、Lo-fi House。

音楽的特徴

楽器TR-909、DX7、Rhodes、サンプラー

リズム118-125 BPM、4つ打ち、温かいパッド

代表アーティスト

  • Disclosureイギリス · 2010年〜

代表曲

日本との関係

1990年代後半の東京WOMB、新宿NUTS、club Yellow、recent EAX(ageHa)、ENTERなど、東京のクラブシーンで定着。日本人プロデューサーではStudio Apartment、DJ KAWASAKI、Soichi Terada、Mondo Grosso、Towa Tei、Coastlines(神保町)が世界的にも知られている。

初めて聴くなら

源流を1曲なら、Mr. Fingers『Can You Feel It』(1986)。ヴォーカル系なら、Aly-Us『Follow Me』(1992)。最近のものなら、Disclosure『Latch』(2012)。日本のものなら、Studio Apartment『Aqua』、Soichi Terada『Sounds From the Far East』(1990s作、2015年再発)。

豆知識

Larry Heard(Mr. Fingers)は1986年のオリジナル録音時、まだコンピュータも使えず、ローランドのドラムマシンとシンセサイザーを直接プリセットで操作して作った。「Can You Feel It」のシンセ・ストリングスはRoland Juno-60のプリセットそのまま。

影響・派生で結ばれたジャンル

ディープハウスを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1985年前後 (±25年)

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