エレクトロニック

UKガラージ

UK Garage

イギリス / 西ヨーロッパ · 1995年〜

1990年代後半のイギリスで成立した、シンコペートしたリズムとR&B感のあるダンス音楽。

どんな音か

1990年代後半のイギリスで、ハウスドラムンベースを橋渡しするように成立した電子ダンス音楽。BPM 130前後の4拍子、シンコペーションの効いた「2-step」と呼ばれるドラム・パターンが特徴。シンセ・ベース、ハイハット、女性ヴォーカル(R&B系)、サンプル・スネア。曲尺は4〜6分の比較的短い構造。歌詞は英語、恋愛、ストリート、ダンス。録音は明るく軽快、低音はサブベース。

生まれた背景

1990年代半ばのイギリスロンドン、アメリカ合衆国のガラージ・ハウス(NY系)を高速化・ダーク化したスタイル。Tuff Jam、MJ Cole、Dem 2、Wookieら DJ/プロデューサーが基盤を作る。1999〜2001年がメインストリーム最盛期で、Artful Dodger『Re-Rewind (When the Crowd Say Bo Selecta)』(1999)、Craig David『Fill Me In』(2000)、So Solid Crew『21 Seconds』(2001)が大ヒット。2002年以降はグライムダブステップ、UKファンキーへ分岐し、純粋なUKガラージ・シーンは縮小したが、2010年代以降にDisclosure、AJ Tracey、Jorja Smithらに再評価された。

聴きどころ

「2-step」のドラム・パターン: キックが1拍目と3拍目、スネアが2拍目と4拍目だが、ハイハットが16分音符でシンコペーションする独特のシャッフル感。ベースが「ぐにゃぐにゃ」と動くウォブル感(後のダブステップの原型)。R&Bヴォーカル(女性)とラップ(男性)の掛け合いが定型。

代表アーティスト

  • Artful Dodgerイギリス · 1997年〜
  • MJ Coleイギリス · 1998年〜
  • Sweet Female Attitudeイギリス · 1999年〜
  • Oxide & Neutrinoイギリス · 2000年〜
  • Burialイギリス · 2005年〜
  • Joy Orbisonイギリス · 2009年〜

代表曲

日本との関係

日本でのUKガラージは、2000年代の東京クラブ・シーンの重要な軸の一つだった。クラブWOMB、Yellow、ageHaなどで定期的にイベントが行われた。日本人プロデューサーのDJ TASAKA、Tatsuki Hayashi、Soft Pipe Quartet、Ovallなどがガラージ寄りの楽曲を発表している。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、MJ Cole『Sincere』(1998)。UKガラージの教科書的サウンド。Wookie『Battle』(2000)も外せない。最近のリバイバルなら、Disclosure『Latch』(2012)、AJ Tracey『Ladbroke Grove』(2019)。

豆知識

UKガラージ」の「Garage」は、ニューヨークの伝説的クラブ「Paradise Garage」(1977〜87)に由来。同クラブのDJラリー・レヴァンが回した楽曲群を「Garage Music」と呼んだのが起源。これをイギリスが独自に高速化・ダーク化したのが「UKガラージ」。

影響・派生で結ばれたジャンル

UKガラージを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1995年前後 (±25年)

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