ポップ

渋谷系

Shibuya-kei

東京 / 日本 / 東アジア · 1990年〜

1990年代の東京で成立した、Bossa Nova・Lounge・古いポップを再構築するレコード愛好家文化的ポップ。

どんな音か

1990年代の東京渋谷を中心に成立した、過去のポップ(60年代フランス・ポップ、アメリカ合衆国ソフト・ロック、ジャズボサノヴァ、Northern Soul)を引用・編集して再構成する独特のスタイル。BPM 90〜130。アコースティック楽器、シンセサイザー、サンプリング、ストリングス、ホーンセクション、男女ヴォーカル(語りに近い親密さ)。歌詞は日本語、英語、フランス語が混ざる。テーマはファッション、東京の街、恋愛、消費文化、皮肉なノスタルジア。録音はプロダクションの細部まで凝るのが定型、ジャケット・MVなど視覚要素も重視。

生まれた背景

1989〜95年の東京渋谷、HMV渋谷店・タワーレコード渋谷店周辺の音楽コミュニティから成立。フリッパーズ・ギター(小山田圭吾+小沢健二、1987〜91)『Three Cheers For Our Side』(1989)が起点。1991年解散後、Cornelius(小山田圭吾)『69/96』(1995)、ピッツィカto Five『ボサノヴァ 2001』(1993)、Original Love『風の歌を聴け』(1994)、Cymbals、Buffalo Daughter、TOKYO No.1 SOUL SETらが派生・発展。1990年代後半に欧米のインディー・シーンで「Shibuya-Kei」として独自に評価され、Cornelius、ピッツィカto Fiveは欧米でも大規模な活動を展開した。

聴きどころ

サンプリングと自演の組み合わせ(Beach Boys、Burt Bacharach、Antônio Carlos Jobim、Astrud Gilberto、Sergio Mendes、Northern Soulなどから引用)。プロダクションの細部(リバーブ、パン振り、サンプル選び)に意図が込められている。歌詞のバイリンガル(日本語+英語+フランス語)、ファッション・アートとの結合(『オリーブ』『FIGARO japon』雑誌との連携)。

代表アーティスト

  • Pizzicato Five日本 · 1985年〜2001
  • Flipper's Guitar日本 · 1987年〜1991
  • Cornelius日本 · 1989年〜

代表曲

日本との関係

(Shibuya-Keiそのものが日本発祥)。1990年代の日本ポップ全体に大きな影響を与え、椎名林檎、宇多田ヒカル、PERFUME、星野源、米津玄師ら現代J-POPの主要アーティストの根幹を作った。Cornelius、ピッツィカto Five、Buffalo Daughterは欧米のインディー・シーンで世代的な存在として認識されている。

初めて聴くなら

1枚だけ聴くなら、Cornelius『Fantasma』(1997)。Shibuya-Keiの世界的代表。フリッパーズ・ギター『Three Cheers For Our Side』(1989)、ピッツィカto Five『ボサノヴァ 2001』(1993)、Original Love『風の歌を聴け』(1994)、Buffalo Daughter『Captain Vapour Athletes』(1996)。

豆知識

「Shibuya-Kei」(渋谷系)という呼称は、1990年代前半に音楽メディアが「渋谷HMV・タワレコの新譜コーナーに並ぶジャンル横断的な日本ポップ」を指して付けた呼び名。当事者(小山田圭吾、小西康陽ら)はこの呼称をあまり好まなかった。Cornelius『Fantasma』(1997)はマット・グレイニング(『シンプソンズ』作者)が絶賛し、アメリカ合衆国Matador Recordsと契約するきっかけとなった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代1980年代1990年代渋谷系渋谷系ボサノヴァボサノヴァJ-POPJ-POP凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
渋谷系を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 1990年前後 (±25年)

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