ユーロダンス
1990年代の欧州で成立した、4つ打ち・歌・ラップを組み合わせた商業ダンスポップ。
まずはここから
ひとことで言うと1990年代の欧州で成立した、4つ打ち・歌・ラップを組み合わせた商業ダンスポップ。
まずはこの曲からAce of Base — All That She Wants ▶ YouTube
代表的な人Culture Beat
どんな音か
ユーロダンスは、1990年代前半から中盤にかけてヨーロッパ大陸で大量に作られたダンスポップを指す。とくにドイツ、ベルギー、オランダ、北欧、イタリアが本場だった。土台は四つ打ち(1小節に4回、拍の頭で正確にキックが鳴るリズム)で、テンポは1分間に125〜140拍(BPM)。その四つ打ちに、1970年代ディスコ由来のシンセベースと、明るい長調のメロディを奏でるシンセサイザーが重なる。さらに「サビは女性ボーカル、その間をつなぐ部分(ヴァース)は男性のラップ」という役割分担が乗るのが定番だ。Snap!『The Power』(1990) が原型を提示し、この男女の役割分担を備えた定型が固まったのは1992〜93年で、Snap!『Rhythm Is a Dancer』やCulture Beat『Mr. Vain』がその代表だ。Haddaway『What Is Love』(1993)、La Bouche『Be My Lover』(1995)、Aqua『Barbie Girl』(1997) と続いて世界市場を席巻した。明るく、安っぽさを恐れず、サビは一度で耳に残る。それがユーロダンスだ。
聴きどころ
初めて聴くなら
入口の一曲はHaddaway『What Is Love』(1993)。冒頭のベース一発で誰もが「ああ、あの曲か」と分かる。アメリカ合衆国のコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のスキット経由で、世代を超えて何度も再ヒットしてきた一曲だ。ただしこの曲はHaddaway本人のソロ歌唱で、ジャンルの定番である「男性ラップ+女性サビ」の役割分担は持たない。その典型を聴くならSnap!『Rhythm Is a Dancer』やCulture Beat『Mr. Vain』へ。あとはLa Bouche『Be My Lover』、ポップに振り切るならAqua『Barbie Girl』、イタリア発の華やかな一曲ならCorona『The Rhythm of the Night』。ドライブやパーティ、深夜のカラオケで流すと体が勝手に動くタイプの音楽で、しんみり聴くジャンルではない。今かけても、1990年代の眩しさがそのまま戻ってくる。
代表アーティスト
- Culture Beat
- Snap!
- Ace of Base
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- Haddaway
- La Bouche
代表曲
- Ace of Base — All That She Wants (1992)
- Snap! — Rhythm Is a Dancer (1992)
- Culture Beat — Mr. Vain (1993)
もっと見る(あと2件)
- Haddaway — What Is Love (1993)
- La Bouche — Be My Lover (1995)
生まれた背景
起源は1980年代末のフランクフルトとベルギー北部(フランデレン地方)にある。ベルギーで流行したスローテンポの電子ダンス「ニュービート」やドイツのテクノが、商業ポップと混ざり合う形でユーロダンスが生まれた。
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日本との関係
1990年代の日本ではユーロダンス/ユーロビートが「avex」レーベルとパラパラ文化を通じて爆発的に広まった。マハラジャやヴェルファーレでパラパラのフォーメーションダンスが踊られ、Dancemaniaシリーズに収録されたユーロビート曲が一世を風靡した。厳密にはユーロビート(イタリアSCP系の超高速派生)はユーロダンスとは別ブランチだが、日本のリスナーはほぼ同じ文化圏として受容した。『頭文字D』のサウンドトラックも、ユーロビート経由でユーロダンスの遺伝子を日本のアニメ・ゲーム文化に運んだ大きな入口だ。Aqua『Barbie Girl』『Doctor Jones』、ハッピー・ハードコア系まで含めて、当時のカラオケと深夜のディスコの記憶にユーロダンスは深く刻まれている。
豆知識
ユーロダンスの歌やラップは、ジャケットやステージに立つ人物と、実際に声を入れた人物が別人という「顔と声の不一致」をしばしば抱えていた。象徴的なのがSnap!
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『The Power』(1990) だ。当初はラッパーChill Rob Gの声を無断使用していたが、後にこれをTurbo B(本名Durron Butler)のラップへ差し替えた。さらにミュージックビデオでは、実際に歌ったPenny Fordとは別人(米空軍兵のJackie Harris)が口パクで歌う姿を見せていた。同じ口パク問題で最も有名なのは、ユーロダンス直前の別系統のダンスポップにいたMilli Vanilliで、口パク発覚によるグラミー賞(最優秀新人賞)剥奪は1990年の出来事だった。もうひとつ、Aqua『Barbie Girl』(1997) はマテル社(バービー人形の製造元)から訴えられたが、アメリカ合衆国の裁判所はパロディの範囲内として訴えを退けた。後の2023年の映画『バービー』のサウンドトラックでは、Nicki MinajとIce Spiceが『Barbie Girl』をサンプリングした『Barbie World』が起用され、かつて提訴された曲のフレーズがマテル公認の文脈で蘇った。
影響・派生で結ばれたジャンル
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