エレクトロニック

ジューク

Juke

シカゴ / アメリカ合衆国 / 北米 · 1995年〜

別名: Chicago Juke

シカゴ・ゲットー・ハウスから派生した、高速で性的・挑発的なテーマを伴うダンス音楽。

どんな音か

BPMは160前後で、バスドラム(キック)が16分音符で連打される——四つ打ちではなく、不規則に配置された「跳ねる」キックパターンが特徴だ。スネアは薄く、ハットはほぼ聴こえない。低音は圧縮されて前に出る。声ネタやサンプルが細かく切り刻まれ、機関銃のように連続する。フットワークという踊りのスタイルと不可分な関係にあり、足さばきで全身を表現するダンスの動きに合わせた音楽構造になっている。「聴く」より「身体で反応する」ための音楽だ。

生まれた背景

シカゴのサウスサイド・ウエストサイドの黒人コミュニティで1990年代に生まれた。ゲットー・ハウス(シカゴのハウス音楽のローカル変種)のBPMを極限まで上げ、踊り自体を競技にしたフットワーク・バトルの場から発展した。DJラシャドとDJスピンがシーンの中心にいた。2010年代にPlanet Mu(UKのレーベル)がコンピレーションをリリースしたことで、シカゴのローカルシーンが初めて国際的に知られるようになった。DJラシャドは2014年に急死しており、その後もトラックスマン、RPブーらが活動を続けている。

聴きどころ

まずキックの連打だけを追う。4つ打ちではなく、パターンが少しずつずれているのが分かる。次に、その上に乗るサンプルやボーカルの断片がどのタイミングに来るかを追う。フットワーク映像と一緒に見ると、音のどの瞬間に足が動くのかが分かり、音楽の「重心」が見えてくる。

発展

2000年代に若手プロデューサーがBPMを上げ、ダンス即興をより重視する方向へ進化、Footwork成立に至った。

出来事

  • 1996頃: DJ Funk『Booty House Anthems』 / 2002: DJ Slugo関連リリース

派生・影響

Footwork、Ghetto House、Bounce。

音楽的特徴

楽器TR-909、サンプラー、シーケンサー

リズム150-160 BPM、反復ヴォーカル、ミニマルキック

代表アーティスト

  • DJ Funkアメリカ合衆国 · 1991年〜
  • Traxmanアメリカ合衆国 · 1991年〜
  • DJ Spinnアメリカ合衆国 · 1996年〜
  • RP Booアメリカ合衆国 · 1997年〜
  • DJ Rashadアメリカ合衆国 · 2002年〜2014

代表曲

日本との関係

日本のクラブシーンでフットワークジュークを意識的にかけるDJは2010年代に少数現れ、テクノやエレクトロニカのリスナー層で話題になった。日本人プロデューサーがジュークの影響を受けた楽曲を作る例もある。フットワーク・ダンスを練習する若者のグループが東京にも存在した時期がある。

初めて聴くなら

DJラシャドの『Itz Not Rite』(2013年)は代表的なトラックで、160BPMのキックの疾走感とサンプルの切り刻み方が分かりやすい。RPブーの『U Don't Know』(2013年)は少し荒削りで、フットワーク初期の質感が残る。夜に、ヘッドフォンで音量を上げて聴く。

豆知識

フットワークのバトルは「ジューキン」と呼ばれ、参加者が向かい合って足技を競う。2人の審判が判定し、勝者が進む。バトルのBGMは現場でDJがかけるため、曲と踊りが互いに影響しながら発展した。「ジューク」という言葉自体は黒人英語でダンスや素早い動きを意味し、ジュークボックスの語源にもなっている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1980年代1990年代ジュークジュークハウスハウスフットワークフットワーク凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ジュークを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1995年前後 (±25年)

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