ポップ

ポップ

Pop

アメリカ合衆国 / 北米 · 1950年〜

20世紀後半に成立した、商業的・親しみやすさを重視する英語圏中心の大衆音楽の総称。

どんな音か

ボーカルが主役で、サビの繰り返しが曲の中心。BPMは100台から130台が主流で、4拍子のドラムは比較的シンプル、ベースとシンセ/ギターがコード進行を埋め、コーラスやハーモニーが重ねられる。曲尺は3〜4分、構造は「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→落ちサビ→ラスサビ」が定型。録音は徹底してミックスが整理され、ボーカルの一語一語が聞き取りやすいようマスタリングされる。歌詞は恋愛、ダンス、自己肯定、別れ……日常の普遍的なテーマが多い。

生まれた背景

「Popular Music」を縮めた言葉で、1950年代のアメリカ合衆国イギリスでラジオ/チャート文化と一緒に確立した。エルヴィス・プレスリー、ビートルズ、モータウンの少女グループ群、ABBA、マイケル・ジャクソン、マドンナ、ブリトニー・スピアーズ、ビヨンセ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ……と各時代の「最大の歌手」がそのまま「ポップ」を更新してきた。プロデューサー単位でも、フィル・スペクター(1960s)、クインシー・ジョーンズ(1980s)、マックス・マーティン(1990s〜現在)と、誰がチャートを握るかで音色そのものが変わる。

聴きどころ

サビの「フック」(耳に残る短いフレーズ)がどこに出るか、ボーカルとコーラスの隙間がどう埋められているか、リズムの強拍がどこで折られるか。プロダクションの完成度が異常に高く、聴き流せばただの「流行歌」だが、構造を意識すると一秒ごとに意図された配置になっている。

代表アーティスト

  • Bee Geesイギリス · 1958年〜2003
  • Michael Jacksonアメリカ合衆国 · 1964年〜2009
  • ABBAスウェーデン · 1972年〜
  • Madonnaアメリカ合衆国 · 1979年〜
  • Ace of Baseスウェーデン · 1990年〜2010
  • Mariah Careyアメリカ合衆国 · 1990年〜
  • Beyoncéアメリカ合衆国 · 1997年〜
  • The Weekndカナダ · 2009年〜
  • Billie Eilishアメリカ合衆国 · 2015年〜

代表曲

日本との関係

日本独自に「J-POP」というジャンル枠が1980年代末に成立したため、英語圏のPopとは別物として扱われがち。ただし松田聖子、安室奈美恵、宇多田ヒカル、Perfume、星野源は世界の「ポップ」と同じ文法で作られている。マックス・マーティンらスウェーデン勢のソングライティング・キャンプに日本人作家が参加することも増えた。

初めて聴くなら

21世紀のポップ最大公約数を1曲なら、Taylor Swift『Shake It Off』(2014)。マックス・マーティンの典型的なサビ構造が3分に詰まっている。20世紀のポップなら、Michael Jackson『Billie Jean』(1982)。ベースラインだけで世界を作るレベル。最新のポップなら、Olivia Rodrigo『drivers license』(2021)。バラードでありながら世界中のチャート1位を取った例。

豆知識

ポップ作曲家のマックス・マーティン(スウェーデン人)は、ザ・ビートルズのジョン・レノン、ポール・マッカートニーに次いで「全米No.1ヒット曲」の作曲数が多いとされる人物(2024年時点で27曲)。ブリトニー・スピアーズ、N'SYNC、テイラー・スウィフト、Pink、ザ・ウィークエンド、Coldplay、アリアナ・グランデまで、彼が裏で書いた曲は驚くほど広い。

影響・派生で結ばれたジャンル

ポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1950年前後 (±25年)

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