クラウトロック
1960年代末-70年代の西ドイツで成立した、即興・反復・電子音楽性を特徴とする実験的ロック。
どんな音か
生まれた背景
1968〜75年の西ドイツ、特にケルン、デュッセルドルフ、ベルリン。Can(1968結成)、Faust、Neu!、Tangerine Dream、Klaus Schulze、Amon Düül II、Kraftwerk(1970結成)、Popol Vuh、Cluster、Harmoniaなど、各都市で並行発生した。「クラウトロック」(イギリスメディアが付けた、ドイツのザワークラウト=酢漬けキャベツに引っかけた呼称)は当事者には嫌われたが、現代では肯定的に使われる。1970年代後半にKraftwerkがエレクトロニック・ポップ寄りに進化し、世界規模の影響力を持った。Brian Eno、David Bowie、Joy Division、Sonic Youth、現在のElectronic音楽の基盤。
聴きどころ
「モトリック・ビート」(高速8分音符の単調な繰り返し)が時間感覚を変える効果。Neu!の「Hallogallo」、Can『Tago Mago』など。シンセサイザーの音色実験、ステレオの空間配置。ヴォーカルが楽器の一部として扱われる感覚。ドイツ語の歌詞は意味より音響として聴く。
発展
1970年代Neu!のmotorikリズムやKraftwerkの電子音楽探求がIDM/Post-rock/Synthpop全般に深い影響を残した。
出来事
- 1969: Can『Monster Movie』 / 1972: Neu!『Neu!』 / 1974: Kraftwerk『Autobahn』
派生・影響
Ambient、Synth-pop、Post-rock、Berlin School、IDM。
音楽的特徴
楽器ギター、ベース、ドラム、シンセ、テープ
リズムmotorik(4/4反復)、長尺即興
代表アーティスト
- Tangerine Dream
- Can
- Neu!
代表曲
- Mother Sky — Can (1970)
- Hallogallo — Neu! (1972)
- Vitamin C — Can (1972)
- Autobahn — Kraftwerk (1974)
Halloglallo — Neu! (1972)
日本との関係
1970年代の四人囃子、Far East Family Band、Outer Limits、Pageantらが直接の影響を受けた。坂本龍一はYMO以前からKraftwerkを研究、YMO『Solid State Survivor』(1979)はKraftwerkとの並行発生・相互参照。Cornelius、Boris、Acid Mothers Templeなど、日本のオルタナ系シーンにも影響は脈々と継続している。
初めて聴くなら
1枚だけ聴くなら、Can『Tago Mago』(1971)。クラウトロックの教科書。続けて、Neu!『Neu!』(1972)、Kraftwerk『Autobahn』(1974)。シンセ寄りなら、Tangerine Dream『Phaedra』(1974)、Klaus Schulze『Mirage』(1977)。
