カントリー
1920年代の米国南部で成立した、Folkとブルース、Gospelを背景に持つ大衆音楽。
まずはここから
ひとことで言うと1920年代の米国南部で成立した、Folkとブルース、Gospelを背景に持つ大衆音楽。
まずはこの曲からHank Williams — I'm So Lonesome I Could Cry ▶ YouTube
代表的な人Hank Williams
どんな音か
アコースティックギター、フィドル(バイオリン)、バンジョー、スティールギター、ウッドベース。ゆったりした3拍子のワルツから、2拍目と4拍目を強く打つシャッフル、現代の8ビートまで幅は広い。歌は鼻にかかった南部アクセントと、語りかけるようなフレージングが基本。歌詞は失恋、トラック運転、酒場、田舎町、家族、神様といった具体的な日常と地名で構成され、抽象的な表現は少ない。ポップに寄せた作りでも、アコースティックギターの木の箱が鳴る音(胴鳴り)はたいていどこかに残されている。コンピューターで組み上げた音ではなく、人が部屋で演奏した音に聴こえてほしい——という作り手の美学だ。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
フィドルとペダル・スティールギターの「泣き」、バンジョーの転がるような3連符、歌い手がしゃがれ声と裏声を切り替えるところ。歌い出しでは「誰それの娘がトラック運転手と恋に落ちて……」と三人称で物語が語られ、サビではその情景を少し離れた視点から眺める——この語りの切り替わりも聴きどころだ。リズムも面白い。一定のリズム(バックビート)では2拍目と4拍目を強く打つが、シャッフル系ではそこをドンと叩かず、スネアをハイハットと一緒にシャラシャラ細かく刻む。ドラムが派手に出ないぶん、声と歌詞が前に立つ。カントリーはあくまで「歌を聴かせる音楽」なのだ。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Hank Williams
- Johnny Cash
- Dolly Parton
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- Willie Nelson
- Miranda Lambert
- Kacey Musgraves
代表曲
- Hank Williams — I'm So Lonesome I Could Cry (1949)
- Hank Williams — Your Cheatin' Heart (1953)
- Johnny Cash — Folsom Prison Blues (1955)
もっと見る(あと3件)
- Johnny Cash — Ring of Fire (1963)
- Dolly Parton — Jolene (1973)
- Willie Nelson — On the Road Again (1980)
生まれた背景
1920年代のアメリカ合衆国南部・アパラチア山脈周辺で、イギリス・アイルランド系移民が持ち込んだフィドル(バイオリン)の民謡と、アフリカ系アメリカ合衆国人のバンジョー、ブルース、ゴスペルが交わって生まれた。1927年のブリストル・セッション(カーター・ファミリーとジミー・ロジャーズ(Jimmie Rodgers)の初録音)が出発点とされる。
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1925年にナッシュビルのラジオ局WSMが始めた番組は、1927年から『Grand Ole Opry(グランド・オール・オープリー)』と呼ばれるようになり、カントリー音楽の中心地をナッシュビルに引き寄せた。戦後は世代ごとに主流が塗り替えられてきた。1940年代は、酒場の生々しさを持ち込んだホンキートンクのハンク・ウィリアムズの時代だ。続く50年代後半から60年代は、プロデューサーのチェット・アトキンスらが弦とコーラスで磨き上げたナッシュビル・サウンド——パッツィ・クラインの時代である。70年代には、ナッシュビルのスタジオ主導の制作体制を嫌ったウィリー・ネルソンやウェイロン・ジェニングスらアウトローが反旗を翻した。90年代にはガース・ブルックスやシャナイア・トゥエインがポップへとクロスオーバーした。2000年代後半にカントリー歌手としてデビューしたテイラー・スウィフトは、物語性を10代の日記のように書き換えながら、2010年代半ばにポップへ移っていった。そして現在は、モーガン・ウォレンやルーク・コムズら主流勢と、ネット発で主流とは別系統のザック・ブライアンやタイラー・チルダーズ、スタージル・シンプソンが、それぞれ違うルートからアメリカ合衆国チャートの上位に並んでいる。
音楽的特徴の詳細
楽器アコギ、フィドル、バンジョー、スライドギター、声
その後の代表曲
- Miranda Lambert — The House That Built Me (2010)
- Sturgill Simpson — Turtles All the Way Down (2014)
- Chris Stapleton — Tennessee Whiskey (2015)
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- Kacey Musgraves — Slow Burn (2018)
- Zach Bryan — Something in the Orange (2022)
日本との関係
豆知識
「ナッシュビル」は名前のとおりテネシー州の州都で、今も全米のメジャー・カントリーレーベルが集まる街だ。録音スタジオやレーベルは市内の一角(16番・17番アヴェニュー周辺)に集まっており、この界隈は通称「ミュージック・ロウ(Music Row)」と呼ばれる。
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カントリー歌手のステージ衣装を彩るラインストーン(きらめく模造宝石の装飾)は、ロサンゼルスのテーラー、ヌディ・コーンが1940年代に始めたもの。エルヴィス・プレスリーの金ラメ・スーツ(1957年)も彼の手によるものだ。
影響・派生で結ばれたジャンル
もっと見る(あと5件と系譜図)
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
カントリーが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
