ジャズ

モードジャズ

Modal Jazz

アメリカ合衆国 / 北米 · 1958年〜

1950年代末に成立した、コード進行ではなく旋法(モード)を基盤とするジャズ。

どんな音か

モードジャズは、複雑なコード進行を追う代わりに、旋法の上で長く即興するジャズ。和音の変化が少ないため、演奏者は一つの音階の色を深く掘る。Miles Davisの「Kind of Blue」やColtraneの「Impressions」では、空間が広く、フレーズが横へ伸びる。

生まれた背景

1950年代末、ビバップ以後の複雑なコード進行から離れる試みとして成立した。George Russellの理論、Miles Davisの実践、Bill EvansやJohn Coltraneの演奏が重要で、1960年代のスピリチュアル・ジャズにも道を開いた。

聴きどころ

コードが次々変わらないぶん、音色、間、フレーズの方向を聴く。ソロが急がず、同じモードの中で少しずつ熱を上げる。ピアノの和音が空間を作り、ベースが長い地平線のように支える。

代表アーティスト

  • John Coltraneアメリカ合衆国 · 1945年〜1967
  • Bill Evansアメリカ合衆国 · 1955年〜1980
  • Herbie Hancockアメリカ合衆国 · 1960年〜

代表曲

日本との関係

日本ではジャズ喫茶文化やモダンジャズ入門で深く親しまれている。「Kind of Blue」は定番中の定番で、静かな夜に聴くジャズのイメージを作ってきた。日本ジャズ奏者にも影響は大きい。

初めて聴くなら

入口は「Kind of Blue — フラメンコ Sketches — Miles Davis (1959)」。精神性の強い展開は「A Love Supreme — John Coltrane (1965)」。穏やかなピアノなら「Peace Piece — Bill Evans (1959)」がよい。

豆知識

モードジャズは、簡単な音階で自由に弾く音楽ではない。選べる音が少ないぶん、一音の重さ、音色、間の取り方がむしろ露わになる。Coltraneは同じモードの上で音を積み上げ、祈りのような強度へ向かうことで、モードジャズを精神的な探求にも変えていった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代1960年代モードジャズモードジャズハードバップハードバップフュージョンフュージョン凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
モードジャズを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1958年前後 (±25年)

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