サイケデリックロック
1960年代後半に成立した、ドラッグ文化と結びついた幻想的・実験的なロック。
どんな音か
BPMは80〜130。ロックの編成にシタール、メロトロン、ハモンドオルガン、フルート、テープ逆回転、エコーやフェイザー(揺らす効果)を加える。歌詞は幻覚体験、神秘思想、宇宙、子供時代、不思議の国のアリス的なイメージ。曲は5〜10分の長尺になりがちで、ジャム(即興)セクションを長く取る。録音はステレオの左右をぐるぐる移動するパンニング、エコーで深い空間を作るのが定番。1960年代後半のLSD体験を音響化したという文化的背景が骨格。
生まれた背景
聴きどころ
通常のヴァース・コーラス構造を逸脱した、長いインストルメンタル展開。ジャム・セクションでギターが何分も同じスケール上を漂うのを「散歩」のように聴く。ステレオ録音の左右の動き、テープ逆回転(「Tomorrow Never Knows」など)の幻惑感。シタールの開放弦が鳴り続けるドローン感覚。
代表アーティスト
- The Beatles
- Jimi Hendrix
- Jefferson Airplane
- Pink Floyd
- The Doors
代表曲
- Interstellar Overdrive — Pink Floyd (1967)
- Light My Fire — The Doors (1967)
- Lucy in the Sky with Diamonds — The Beatles (1967)
- Purple Haze — Jimi Hendrix (1967)
- White Rabbit — Jefferson Airplane (1967)
日本との関係
1969〜71年に四人囃子、サディスティック・ミカ・バンド、フード・ブレインらがサイケデリック・ロックを直接の参照点にした。1990年代以降のフリッパーズ・ギターやコーネリアス、最近ではsuperorganism、Tempalay、ASIAN KUNG-FU GENERATION、yonawoまで、サイケデリック・ロックの色彩感は日本のオルタナ系に脈々と引き継がれている。
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、The Beatles『Tomorrow Never Knows』(1966)。3分のなかにサイケデリックの全要素が詰まっている。アルバムなら、Pink Floyd『The Piper at the Gates of Dawn』(1967)、The Doors『The Doors』(1967)。米国西海岸なら、Jefferson Airplane『Surrealistic Pillow』(1967)。
豆知識
1965年にThe Holy Modal RoundersがアルバムにLSDの幻覚状態を歌った曲を入れたのが「psychedelic」の音楽用語としての初出とされる。ザ・バーズの「Eight Miles High」(1966)はLSD体験の歌だと多くのラジオ局が放送禁止にしたが、メンバーは「単に飛行機の高度の話だ」と否定し続けた。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ラテン・カリブサルサ
- エレクトロニックプロセス音楽
- ヒップホップ・R&Bファンク
- ロック・メタルカントリーロック
- エレクトロニックドローン・ミュージック
- ジャズフュージョン
- 宗教・霊歌コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック
- エレクトロニックディスコ
