ロック・メタル

サイケデリックロック

Psychedelic Rock

アメリカ合衆国 / 北米 · 1965年〜

1960年代後半に成立した、ドラッグ文化と結びついた幻想的・実験的なロック。

どんな音か

BPMは80〜130。ロックの編成にシタール、メロトロン、ハモンドオルガン、フルート、テープ逆回転、エコーやフェイザー(揺らす効果)を加える。歌詞は幻覚体験、神秘思想、宇宙、子供時代、不思議の国のアリス的なイメージ。曲は5〜10分の長尺になりがちで、ジャム(即興)セクションを長く取る。録音はステレオの左右をぐるぐる移動するパンニング、エコーで深い空間を作るのが定番。1960年代後半のLSD体験を音響化したという文化的背景が骨格。

生まれた背景

1965〜66年の西海岸サンフランシスコ(ヘイト・アシュベリー地区)とイギリスロンドンで同時多発的に成立。アメリカ合衆国ではグレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、ドアーズ、イギリスではビートルズ後期、ピンク・フロイド、クリーム、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス。1967年のビートルズ『Sgt. Pepper's』とサマー・オブ・ラブが頂点。1969年のウッドストック・フェスティバルで一つの到達点を見せた後、1970年代に入ってプログレ、ハードロック、サザン・ロックへ分岐していく。

聴きどころ

通常のヴァース・コーラス構造を逸脱した、長いインストルメンタル展開。ジャム・セクションでギターが何分も同じスケール上を漂うのを「散歩」のように聴く。ステレオ録音の左右の動き、テープ逆回転(「Tomorrow Never Knows」など)の幻惑感。シタールの開放弦が鳴り続けるドローン感覚。

代表アーティスト

  • The Beatlesイギリス · 1960年〜1970
  • Jimi Hendrixアメリカ合衆国 · 1963年〜1970
  • Jefferson Airplaneアメリカ合衆国 · 1965年〜1973
  • Pink Floydイギリス · 1965年〜2014
  • The Doorsアメリカ合衆国 · 1965年〜1973

代表曲

日本との関係

1969〜71年に四人囃子、サディスティック・ミカ・バンド、フード・ブレインらがサイケデリック・ロックを直接の参照点にした。1990年代以降のフリッパーズ・ギターやコーネリアス、最近ではsuperorganism、Tempalay、ASIAN KUNG-FU GENERATION、yonawoまで、サイケデリック・ロックの色彩感は日本のオルタナ系に脈々と引き継がれている。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、The Beatles『Tomorrow Never Knows』(1966)。3分のなかにサイケデリックの全要素が詰まっている。アルバムなら、Pink Floyd『The Piper at the Gates of Dawn』(1967)、The Doors『The Doors』(1967)。米国西海岸なら、Jefferson Airplane『Surrealistic Pillow』(1967)。

豆知識

1965年にThe Holy Modal RoundersがアルバムにLSDの幻覚状態を歌った曲を入れたのが「psychedelic」の音楽用語としての初出とされる。ザ・バーズの「Eight Miles High」(1966)はLSD体験の歌だと多くのラジオ局が放送禁止にしたが、メンバーは「単に飛行機の高度の話だ」と否定し続けた。

影響・派生で結ばれたジャンル

サイケデリックロックを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1965年前後 (±25年)

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