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中国

China

東アジア

中国は、国内の音楽需要をほぼ自国の音楽だけで満たしている国だ。2025年には前年比20.1%増でドイツを抜き、世界4位の音楽市場に浮上した(IFPI 2026年版報告)。海外の配信サービスがネット規制で事実上遮断されているからこそ、中国語ポップス(C-pop)が市場を自前で回す構図が成り立っている。配信は二強体制だ。市場の約6割を握るのが騰訊音楽(テンセント・ミュージック、略称TME)で、QQミュージックなどを傘下に持ち、有料会員は約1.3億人にのぼる。これを、インディーズやファン同士の交流に強いネットイース・クラウド・ミュージックが追う。市場の頂点に立つのが周杰倫(ジェイ・チョウ)と華晨宇(ホア・チェンユー)の二大看板で、その裾野をアイドルグループやアニメソングが広げている。

自国アーティストの人気曲

  • 稻香 稲穂の香り周杰倫 (Jay Chou) · 2008

    発表から18年経つ2026年も中国台湾香港・東南アジア華人圏のプレイリストに必ず入る国民歌。「忘了有多久 再没听到你」と少年時代を回想し、シンプルな幸福を讃える。

    忘了有多久 再没听到你 对我说你最爱的故事どれだけ忘れたろう。もう聞こえてこない、君が一番好きだったあの物語を聞かせてくれる声。
  • 好想爱这个世界啊 この世界を愛したい华晨宇 (Hua Chenyu) · 2019

    NetEase 2025年間アーティスト・华晨宇の代表曲のひとつ。鬱病を題材にした繊細なバラードで、Z世代の精神的支柱として聴かれる。

  • 孤勇者 孤独な勇者陈奕迅 (Eason Chan) · 2021

    アニメ『アーケイン』中文版主題歌。「英雄じゃなくても君は勇者」と歌い、中国の小学生にまで愛唱される国民級アニソン。

    TikTok(抖音)で子供達のカバー動画が無数に生まれた。

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

中国は、世代と性別で聴く曲がくっきり割れる珍しい市場だ。都市部の若者は、先に挙げた二大看板に加え、アニメソングやインディーズ(主にネットイース経由)へと好みが分かれる。10〜20代の女性は、TFBoysと同じ事務所が育てた後発の男性アイドルグループ・時代少年団などを好む。同世代の男性は、中国語ラップを国際的に押し広げたHigher Brothersの流れをくむヒップホップに向かう傾向がある。なお中国語ラップ自体は1990年代から存在し、これを一気に大衆化させたのは2017年のオーディション番組『中国有嘻哈(ラップ・オブ・チャイナ)』だった。一方、地方の中高年層は、テレサ・テン(鄧麗君)の再評価に代表される往年の歌謡曲や、紅歌紅歌)を聴き続ける。海外勢に目を向けると、韓国コンテンツは、2016年のTHAAD(アメリカ合衆国の高高度ミサイル防衛システム)の韓国配備をめぐる中韓対立以降、公式な発売の許可が事実上止まっており、K-POPの流入は非公式経路が中心だ。同じ国の音楽でありながら、聴く世代が違えば共通の一曲すら見つからない――そんな市場はそうそうない。

参考資料

- Billboard China TME UNI: https://www.billboard.com/charts/china-tme-uni-songs/ - ChinaAlbums 2026: https://chinaalbums.com/chinese-music-industry-2026/ - The World of Chinese 2025年間: https://www.theworldofchinese.com/2026/01/chinese-music-top-albums-2025/