ポップ

シティポップ

City Pop

東京 / 日本 / 東アジア · 1976年〜

1970年代後半〜80年代の日本で隆盛した、洗練された都会的ポップ。

どんな音か

1970〜80年代の日本で生まれた、洗練された大人向けポップ。BPM 100〜130。エレキピアノ、ストリングス、ホーンセクション、スラップ・ベース、リムショット中心のドラム、コーラス。歌は歌い上げず、語りかけるように軽やかに。歌詞は都会の夜、ドライブ、ホテル、サマー・リゾート、女性視点の恋愛。録音はスタジオの最高峰技術を投入し、シンセ・ベース、フェンダー・ローズ、コーラス・エフェクトの艶のある質感が特徴。海外で再発見された時、「日本独自の都市的洗練」として評価された。

生まれた背景

1976年頃の山下達郎、シュガーベイブ解散後の東京。米国西海岸のAOR、ソウルファンクボサノヴァディスコを下敷きに、日本語の発音とリズムに合わせたポップを作る試みが集約していった。山下達郎、大滝詠一、竹内まりや、松任谷由実、角松敏生、菊池桃子、杏里、稲垣潤一らが代表。1985年前後の山下達郎『FOR YOU』、竹内まりや『VARIETY』、大滝詠一『A LONG VACATION』が結実点。バブル経済とともに頂点を迎え、1990年代以降は商業的には縮小したが、現在まで日本の主流ポップに脈々と影響を残している。

聴きどころ

シンセ・ベース(MOOG、シンクラヴィア)とアコースティック・ベースの使い分け。フェンダー・ローズの「ぽろぽろ」した電気ピアノ音。リムショット(スネアの縁を叩く)中心のドラム。サビで一気に厚くなるストリングスとコーラス。「Plastic Love」のサビ前のコード進行(F・G・Em・Am)が城ポップの定型。

音楽的特徴

楽器シンセ、エレキギター、エレピ、ベース、ドラム、声

代表アーティスト

  • 山下達郎日本 · 1973年〜
  • 杏里日本 · 1978年〜
  • 竹内まりや日本 · 1978年〜
  • 松原みき日本 · 1979年〜2004
  • 間宮貴子日本 · 1982年〜1983

代表曲

日本との関係

(City popそのものが日本発祥)。2010年代後半、YouTubeアルゴリズムが竹内まりや『Plastic Love』(1984)を世界中の若者に勧め始めたのが、海外での再発見のきっかけ。フィリピンインドネシアベトナムブラジル、米国西海岸のヴェイパーウェイヴ/フューチャー・ファンクシーンで「日本シティポップ」が完全に定着した。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、竹内まりや『Plastic Love』(1984)。海外でシティポップといえばまずこれ。アルバムなら、山下達郎『FOR YOU』(1982)。よりメロウなら、大滝詠一『A LONG VACATION』(1981)。最近のものなら、Lamp『恋人へ』(2007)、Cero『Obscure Ride』(2015)。

豆知識

「Plastic Love」が海外で再発見されたきっかけは、2017年7月にYouTubeにアップロードされた1本の動画(誰がアップしたかも当時不明)。再生回数は2024年時点で3000万回を超え、竹内まりや本人がオフィシャルMV(2021)を後追いで作り直した。最近では2024年公開のWeezerのアルバム『SZNZ: Spring』にも明確なシティポップ参照がある。

影響・派生で結ばれたジャンル

シティポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 1976年前後 (±25年)

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