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ポップ

シティポップ

City Pop

東京 / 日本 / 東アジア · 1976年〜

1970年代後半〜80年代の日本で隆盛した、洗練された都会的ポップ。

どんな音か

1970〜80年代の日本で生まれた、洗練された大人向けポップ。テンポはBPM90〜120とゆったりめだ。フェンダー・ローズ(温かい音色の電気ピアノ)やストリングス、ブラス(ホーンセクション)が彩りを添える。リズムは、弦をはじくように弾むスラップ・ベースと、スネアの縁を叩くリムショットを効かせたドラムが支え、厚いコーラスが全体を包む。歌は歌い上げず、語りかけるように軽やかに乗る。歌詞は都会の夜、ドライブ、ホテル、サマー・リゾート、女性視点の恋愛が定番だ。録音には当時の最先端スタジオ技術が惜しみなく注がれ、幾重にも重ねたトラックが艶やかな質感を生んだ。

生まれた背景

山下達郎が在籍したバンド、シュガー・ベイブが解散した1976年頃の東京。米国西海岸のAOR、ソウルファンクボサノヴァディスコが土台にあった。これら海外の音楽を、日本語の言葉づかいやリズムになじませる試みが、この頃しだいにひとつの潮流へまとまっていく。サウンドの基盤を築いたのが山下達郎、世界へのブレイクの起点となったのが竹内まりやだ。作り手では大滝詠一、歌い手では杏里や角松敏生らが続き、プロデューサーとシンガー双方に才能が揃った。代表作の一つが大滝詠一『A LONG VACATION』(1981)。完成度と売上の両面で時代を象徴し、ジャンルの到達点とされる。経済成長を経た当時の好景気と潤沢なスタジオ予算を背景に頂点を迎え、1990年代以降は商業的に縮小したが、その後も主流ポップの底流に影響を残し続けた。そして2017年、YouTube経由で海外リスナーに再発見され、「日本独自の都市的成熟」として海外で評価し直された。

聴きどころ

曲によってシンセ・ベース(シンセサイザーで作る低音)と生のアコースティック・ベースを使い分けている点に注目。ローズの、輪郭のにじむ電気ピアノの艶。リムショット(スネアの縁を叩く奏法)中心のドラム。サビで厚みを増すストリングスとコーラス。そして、視界が開けるようなジャズ寄りのメジャー7th(おしゃれで少し切なく響く和音)。たとえば『Plastic Love』のように、切なさと浮遊感が同居する和音の流れは、シティポップの定型のひとつだ。

音楽的特徴

楽器シンセ、エレキギター、エレピ、ベース、ドラム、声

リズムを聴く

このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。

シティ・ポップ · 100 BPM

代表アーティスト

  • 山下達郎日本 · 1973年〜
  • 杏里日本 · 1978年〜
  • 竹内まりや日本 · 1978年〜
  • 松原みき日本 · 1979年〜2004
  • 間宮貴子日本 · 1982年〜1983

代表曲

日本との関係

(City popそのものが日本発祥)。2010年代後半、YouTubeアルゴリズムが竹内まりや『Plastic Love』(1984)を世界中の若者に勧め始めたのが、海外での再発見のきっかけ。フィリピンインドネシアベトナムブラジル、米国西海岸のヴェイパーウェイヴ/フューチャー・ファンクシーンで「日本シティポップ」が完全に定着した。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、竹内まりや『Plastic Love』(収録アルバム『VARIETY』は1984年、シングルは1985年)。海外でシティポップといえばまずこれ。アルバムなら、山下達郎『FOR YOU』(1982)。よりメロウなら、大滝詠一『A LONG VACATION』(1981)。新しめのものなら、Lamp『恋人へ』(2004)、cero『Obscure Ride』(2015)。

豆知識

「Plastic Love」が海外で再発見されたきっかけは、2017年にファンが無断でアップロードした非公式動画だった。公式が動画を出すより先に現象が広がり、再生回数は伸び続け(2024年時点で3000万回超)、2019年にはワーナーミュージック・ジャパンが公式ミュージックビデオ(本編冒頭の約1分49秒)を公開した。最近ではVaundyやNight Tempoのように、国内外の若い世代がシティポップを下敷きにした作品を次々と生み出している。

影響・派生で結ばれたジャンル

シティポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 1976年前後 (±25年)