ブルース・カントリー

ザディコ

Zydeco

ルイジアナ州南部 / アメリカ合衆国 / 北米 · 1950年〜

ルイジアナ南部のフランス系アフリカ人(クレオール)コミュニティが、ケイジャン音楽とR&B・ブルースを融合して生んだ高速ダンス音楽。

どんな音か

アメリカ合衆国ルイジアナ州南西部の、フランス語系アフリカ系米国人(クレオール)の音楽。BPM 100〜180の2拍子。アコーディオン(ピアノ式が多い)、フロットワー(洗濯板状の打楽器を首から下げて叩く)、フィドル、エレキギター、ベース、ドラム、トランペット時々。歌は男女両方、ケイジャン・フランス語または英語。歌詞はダンス、恋愛、ストリート、家族。ケイジャンよりリズムがブルース寄りで、シャッフル感が強い。録音は明るく重低音は控えめ、ライブ感を残す。

生まれた背景

20世紀前半のルイジアナで、ケイジャン(白人フランス系)とアフリカ系クレオールの音楽伝統が混ざって成立。「La-La」(初期の即興的な音楽)が起源。1950年代にClifton Chenier(「ザディコ王」と呼ばれる)が現代ザディコの形を確立、アコーディオンとフロットワーを中心とした編成を定型化した。1970〜80年代に商業的に拡大、Buckwheat ザディコ、Boozoo Chavis、Beau Jocque、現代ではNathan Williams、Keith Frank、Chubby Carrierへ続く。1990年代以降の北米・欧州の世界音楽ブームで国際的な認知を得た。

聴きどころ

アコーディオン(ピアノ式が多い、ケイジャンのボタン式と違う)の力強いリフ。フロットワー(洗濯板状の打楽器)の「ガッキャガッキャ」というリズム。ヴォーカルとアコーディオンの掛け合い、コーラスでの観客参加。ダンスでは2人組のステップで踊る。

発展

1980~90年代のブッキー・ムシヤット、テリー・パウエル、ロザンナ・パウエルがザディコ・ナウヴォーへ展開し、米国フォーク・グラミー賞でも複数受賞している。21世紀のチャブィ・カーターらは伝統と新しいR&Bの融合を進める。

出来事

  • 1955: クリフトン・シェニエ録音
  • 1965: ザディコ・ナウヴォー運動
  • 1986: クリフトン・シェニエ・グラミー受賞
  • 2010: チャブィ・カーター現代化

派生・影響

ケイジャン、R&B、ブルース、フォークと交差。

音楽的特徴

楽器ピアノ・アコーディオン、フロットワーシュ、ベース、ドラム、エレキギター、声

リズム高速2/4、フロットワーシュ摺り、R&Bグルーヴ

代表アーティスト

  • Boozoo Chavisアメリカ合衆国 · 1954年〜2001
  • Clifton Chenierアメリカ合衆国 · 1954年〜1987
  • Buckwheat Zydecoアメリカ合衆国 · 1979年〜2016

代表曲

日本との関係

日本ではザディコシーンは小さいが、東京・大阪のルーツ・ミュージック愛好者の間で根強い人気。映画『パッセンジャー57』『プリンセス・カイウラニ』のサウンドトラックでザディコ音楽が使われた例がある。Buckwheat ザディコは2000年代に来日公演を行った。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Clifton Chenier『Bogalusa Boogie』(1976)。ザディコの最高峰の一つ。Buckwheat ザディコ『Buckwheat's ザディコ Party』(1987)、Beau Jocque『Pick Up On This!』(1996)。

豆知識

ザディコ」の語源はケイジャン・フランス語「Les haricots sont pas salés(豆に塩が効いていない)」の「zaricos」が訛ったもの、というのが有力説。「貧困で豆に塩を入れる余裕もない」という意味で、ジャンル名に貧困層の生活が反映されている。Clifton Chenierは1976年にグラミー賞を受賞した最初のザディコ/ケイジャン音楽家。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1900年代1940年代1950年代ザディコザディコケイジャン音楽ケイジャン音楽リズム・アンド・ブルースリズム・アンド・ブルース凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ザディコを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1950年前後 (±25年)

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