黒人霊歌
アメリカ南部の奴隷制下でアフリカ系アメリカ人共同体が創出した宗教的民謡。
まずはここから
ひとことで言うとアメリカ南部の奴隷制下でアフリカ系アメリカ人共同体が創出した宗教的民謡。
まずはこの曲からDeep River ▶ YouTube
代表的な人Fisk Jubilee Singers
どんな音か
聴きどころ
旋律の美しさだけでなく、歌詞の二重性を聴く。モーセ、ヨルダン川、約束の地といった聖書の言葉は、信仰の希望であると同時に自由への暗号として響くことがある。合唱編曲では整った和声が目立つが、元には共同体の応答、身体のリズム、苦難の記憶がある。
初めて聴くなら
入口は「スウィング Low, Sweet Chariot — Fisk Jubilee Singers (1909)」。霊歌が演奏会形式で広まった姿を知ることができる。解放の象徴を強く感じるなら「Go Down Moses」、静かな深さを味わうなら「Deep River」がよい。
代表アーティスト
- Fisk Jubilee Singers
代表曲
- Deep River
- Fisk Jubilee Singers — Go Down Moses
- Fisk Jubilee Singers — Swing Low, Sweet Chariot (1909)
生まれた背景
18世紀から19世紀にかけて、アフリカ由来の歌唱習慣とプロテスタント讃美歌が接触する中で形成された。南北戦争後、Fisk Jubilee Singersが霊歌を演奏会用に編曲して国内外で歌い、黒人教育機関の支援にもつなげた。
音楽的特徴の詳細
楽器声、ハンドクラップ、フット・ストンピング、パッティング・ジューバ
リズムコール&レスポンス、ブルーノート、シンコペーション、リング・シャウト
発展
南北戦争後、フィスク・ジュビリー・シンガーズ(1871年結成)が編曲版を世界に紹介し、20世紀初頭にはハリー・バーレイ、ロザウェル・ジョンソンらが演奏会形式に編曲した。マハリア・ジャクソン世代を経て黒人ゴスペルへ発展、また公民権運動の歌(『We Shall Overcome』等)の母胎ともなった。
出来事
- 1801: リチャード・アレン編『AME Hymnal』黒人讃美歌集発行
- 1865: 奴隷解放宣言、ジュビリー精神高揚
- 1871: フィスク・ジュビリー・シンガーズ世界公演
- 1925: ロザウェル・ジョンソン『The Book of American Negro Spirituals』
派生・影響
Black Gospel、Blues、Soul、R&B、Jazz、公民権運動歌、ミュージカル『Porgy and Bess』など、20世紀アメリカ音楽全般の根源的源流。
日本との関係
豆知識
黒人霊歌という呼称は歴史的に使われてきたが、現在はAfrican American spiritualsなどの言い方も用いられる。名称には時代背景があるため、音楽の尊厳を保ちながら、差別語の歴史にも注意して扱う必要がある。
影響・派生で結ばれたジャンル
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