ジャズ

スウィング

Swing

アメリカ合衆国 / 北米 · 1930年〜

1930年代に大流行した、ビッグバンドによる踊れるジャズ。

どんな音か

BPM 120〜180、4拍子の各拍を「ターン・タッ・ターン・タッ」と均等に揺らす。ビッグバンド(15〜18人編成、サックス4〜5本、トランペット4本、トロンボーン3〜4本、リズムセクション)が中心。「スウィング感」とは、8分音符を均等(タッ・タッ)ではなく付点八分+十六分(ターン・タッ)に揺らすこと。曲は3〜4分の短さ、ダンスホールでフルコーラスを2〜3回繰り返す形式。歌は男女両方、ベニー・グッドマン楽団のフィーチャー・シンガーとしてエラ・フィッツジェラルド、ペギー・リーらが活躍した。

生まれた背景

1930年代前半、ニューヨークとカンザスシティで同時並行で発展。フレッチャー・ヘンダーソン、デューク・エリントン、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、グレン・ミラー、トミー・ドーシー、アーティ・ショウらが「ビッグバンド」を率いて競った。1935〜45年が「スウィング時代(スウィング Era)」と呼ばれ、ジャズアメリカ合衆国の主流ポップだった唯一の時期。第二次大戦中、ビッグバンドはGI慰問のために編成を維持したが、戦後の労働組合争議とビバップの台頭で1946年以降急速に縮小した。

聴きどころ

サックス・セクションがメロディを全員ユニゾンで吹くところと、ブラス(トランペット+トロンボーン)が分厚く合いの手を入れるコール&レスポンス。リズム・セクションのベース(ウォーキング・ベース、4分音符で歩く)とドラム(ハイハットを2&4で開閉)の組み合わせが「スウィング感」の正体。ソロ回しの順序(サックス・トランペット・ピアノなど)も決まっていることが多い。

音楽的特徴

楽器ビッグバンド、サックス、トランペット、トロンボーン、リズムセクション

リズムスウィング・フィール、4/4

代表アーティスト

  • Glenn Millerアメリカ合衆国 · 1923年〜1944
  • Count Basieアメリカ合衆国 · 1924年〜1984
  • Benny Goodmanアメリカ合衆国 · 1926年〜1986
  • Ella Fitzgeraldアメリカ合衆国 · 1934年〜1996
  • Billie Holidayアメリカ合衆国 · 1935年〜1959

代表曲

日本との関係

1930年代に日本でもスウィング・ビッグバンドが組まれ、東京と大阪のダンスホールで活動した。戦時中の禁制を経て、戦後は東京キューバン・ボーイズ、シャープス&フラッツ、原信夫とシャープス&フラッツが伝統を継承した。現在も穐吉敏子ジャズ・オーケストラ(米国拠点)、東京キューバン・ボーイズ、白石幸司ジャズ・オーケストラなど、ビッグバンド文化は健在。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Benny Goodman『Sing, Sing, Sing』(1937)。ジーン・クルーパのドラム・ソロが圧巻。アルバムなら、Count Basie『The Atomic Mr. Basie』(1958)。歌付きなら、Ella Fitzgerald & Duke Ellington『Cote d'Azur Concerts』(1966)。

豆知識

1938年1月のベニー・グッドマン・カーネギーホール公演は、ジャズが「クラシックの神殿」に正式に入った歴史的事件として記録されている。当時のスウィング・ダンスは「ジターバグ」「リンディ・ホップ」と呼ばれ、現在も世界中にダンス・コミュニティが存在する。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1910年代1930年代1940年代スウィングスウィングジャズジャズビバップビバップ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
スウィングを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1930年前後 (±25年)

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