ロック・メタル

グラインドコア

Grindcore

イギリス / 西ヨーロッパ · 1985年〜

1980年代後半UKで成立した、Hardcore Punk・Death Metalをさらに極端化した極短・極高速のサブジャンル。

どんな音か

グラインドコアは、ハードコア・パンクとデスメタルを極端に圧縮した音楽。曲は数十秒で終わることもあり、ブラストビートの連打、低く潰れた声、ノイズ状のギターが一気に押し寄せる。Napalm Deathの「You Suffer」のように、曲というより爆発の一瞬に近いものもある。Carcassは医療用語めいたグロテスクさ、Pig Destroyerは鋭いリフと混乱した疾走感が目立つ。

生まれた背景

1980年代後半のイギリスで、クラスト・パンク、Hardcore Punk、Death Metal、インダストリアルの過激な要素が合流して成立した。Napalm Deathの《Scum》は初期の重要作で、政治的怒り、反商業的な短さ、録音の荒さがそのまま音の圧力になった。速さを競うだけでなく、曲の形式を限界まで削る発想がある。

聴きどころ

最初は音の塊に聴こえるが、ドラムのブラストビートとギターのリフの切れ目を探すと輪郭が出る。声は歌詞を聞き取るより、音圧の一部として聴こえることが多い。短い曲では、始まった瞬間と終わった瞬間の落差が重要で、沈黙まで含めて衝撃になる。

発展

1990年代Pig Destroyer『Prowler in the Yard』(2001)で再活性化。後にMathgrind、Powerviolenceへ枝分かれ。

出来事

  • 1987: Napalm Death『Scum』 / 1989: Carcass『Symphonies of Sickness』 / 2001: Pig Destroyer『Prowler in the Yard』

派生・影響

Death Metal、Hardcore Punk、Powerviolence、Goregrind。

音楽的特徴

楽器歪みギター、ベース、ドラム、グロウル/シャウト

リズム極高速ブラスト、超短い曲尺、不協和音

代表アーティスト

  • Napalm Deathイギリス · 1981年〜
  • Carcassイギリス · 1985年〜
  • Pig Destroyerアメリカ合衆国 · 1997年〜

代表曲

日本との関係

日本ではハードコア、ノイズ、デスメタルの地下シーンで受け入れられた。大衆的なロックとは距離があるが、ライブハウス、専門店、ファンジン、海外バンドの来日公演を通じて濃いコミュニティがある。日本のノイズやハードコアの過激さとも相性がよい。

初めて聴くなら

歴史を知るなら「Scum — Napalm Death (1987)」。極短の象徴として「You Suffer — Napalm Death (1987)」も外せない。金属的なリフとグロテスクな質感なら「Reek of Putrefaction — Carcass (1988)」、現代的な鋭さなら「Prowler in the Yard — Pig Destroyer (2001)」が入口になる。

豆知識

グラインドコアのgrindは、ギターやベースが低く削るように鳴る感触をよく表している。曲が短いほど簡単というわけではなく、数十秒の中でリフ、怒り、停止のタイミングを詰め込む集中力が求められる。

影響・派生で結ばれたジャンル

グラインドコアを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1985年前後 (±25年)

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