古典

ポスト・ミニマリズム

Post-Minimalism

アメリカ合衆国 / 北米 · 1978年〜

1980年代以降、初期ミニマリズムの厳格な還元主義を緩めて感情表出と多様な素材を取り入れた潮流。

どんな音か

ポスト・ミニマリズムは、初期ミニマルの反復を受け継ぎながら、より感情的な和声、物語性、ロックジャズの影響を取り入れた音楽。John Adamsでは反復する弦や管楽器が大きな波になり、GlassやReichの語法も柔らかく広がる。

生まれた背景

1970年代末から80年代以降、厳格な反復だけではなく、オペラ、交響曲、映画的な時間へミニマルの方法が広がった。アメリカ合衆国西海岸の開放感やポップ文化との距離の近さも、この流れを支えた。

聴きどころ

反復が単なるループではなく、和声の変化やオーケストラの厚みで大きく成長するところを聴く。初期ミニマルよりドラマがあり、クライマックスもはっきりしている作品が多い。

発展

アダムス「Shaker Loops」(1978)、「Harmonielehre」(1985)、「Nixon in China」(1987)、「Doctor Atomic」(2005)が代表作。ライヒ「Different Trains」(1988)、「The Cave」(1993)も後期ミニマリズムから後退した叙情性を示した。世代下のニコ・ミューリー、ブライス・デスナーまで広がる。

出来事

  • 1978: アダムス「Shaker Loops」
  • 1985: アダムス「Harmonielehre」
  • 1987: アダムス「Nixon in China」初演
  • 1988: ライヒ「Different Trains」

派生・影響

現代米国オペラ、ハリウッド映画音楽の反復書法、現代器楽曲の調性的書法、TVドラマ音楽(ジョニー・グリーンウッドら)に影響を残している。

音楽的特徴

楽器管弦楽、合唱、室内楽、電子音響

リズム反復、叙情性、調性的書法

代表アーティスト

  • スティーヴ・ライヒアメリカ合衆国 · 1965年〜
  • フィリップ・グラスアメリカ合衆国 · 1965年〜
  • ジョン・アダムスアメリカ合衆国 · 1975年〜

代表曲

日本との関係

日本では現代音楽、映画音楽、ミニマル好きの聴衆に受け入れられている。John Adamsの作品はオーケストラ公演でも取り上げられ、ポストクラシカルを聴く耳とも近い。

初めて聴くなら

入口は「Shaker Loops — ジョン・アダムス (1978)」。大編成の高揚なら「Harmonielehre — ジョン・アダムス (1985)」。ライヒの記憶の音楽として「Different Trains — スティーヴ・ライヒ (1988)」もよい。

豆知識

Post-minimalismは、ミニマルの後というだけでなく、反復を感情や物語に開く方向を示す。聴きやすさと現代性の橋渡しになった。John Adamsの作品では、同じパターンがオーケストラの色彩と和声のうねりで大きなドラマに成長し、初期ミニマルより映画的に聴こえる。 オペラや大編成作品にも向かったことで、反復の技法は実験音楽の枠を越え、現代クラシックの聴きやすい入口にもなった。 反復の心地よさを保ちながら、旋律や和声の変化で聴き手を長い物語へ連れていく点が、初期ミニマルとの違いになる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ポスト・ミニマリズムを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1978年前後 (±25年)

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