クールジャズ
1940年代末〜50年代に成立した、抑制された音色と編曲を重視するジャズ。
どんな音か
生まれた背景
1949〜50年、マイルス・デイビスが9重奏団で録音した『The Birth of the Cool』(後に1957年にアルバム化)が起点。西海岸のチェット・ベイカー、ジェリー・マリガン、デイヴ・ブルーベック、ポール・デズモンド、リー・コニッツ、スタン・ゲッツらが「ウェスト・コースト・ジャズ」として展開した。同時期に東海岸のアート・ペッパー、ジョン・ルイス(MJQ)も合流。1960年代以降、ビル・エヴァンス、キース・ジャレット、ECMレーベル系のヨーロッパ勢が「クール」の感覚を引き継いだ。
聴きどころ
ヴィブラートの少ないストレートな音色。チェット・ベイカーのトランペットは、ピアニッシモで歌うように吹くのが特徴。アンサンブルが重要で、ソロイスト一人が目立つビバップと違い、複数の管楽器が織物のように絡む。ピアノは間(ま)を多用し、和音をひとつ置いては休符を取る。
音楽的特徴
楽器サックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラム
リズム抑制されたテンポ、リラックスしたフレージング
代表アーティスト
- Dave Brubeck
- Stan Getz
- Chet Baker
- Gerry Mulligan
- Bill Evans
代表曲
- Birth of the Cool — Boplicity — Miles Davis (1949)
- Line for Lyons — Gerry Mulligan (1952)
- My Funny Valentine — Chet Baker (1954)
- Blue Rondo à la Turk — Dave Brubeck (1959)
- Take Five — Dave Brubeck (1959)
日本との関係
初めて聴くなら
1枚だけなら、Miles Davis『Birth of the Cool』(1957)。9重奏のアレンジが今聴いても新しい。ピアノ・トリオなら、Bill Evans『Sunday at the Village Vanguard』(1961)。ヴォーカル入りなら、Chet Baker『Chet Baker Sings』(1956)。
豆知識
「Cool」という形容詞そのものが、1940年代後半のジャズ・スラング(熱くない、感情を抑えた、洗練された)から英語の一般語に広がった。「That's cool」のクールは、もとはビバップ世代が「過剰な感情表現を嫌う美学」を示すために使った言葉。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ポップポップ
- ブルース・カントリーザディコ
- ロック・メタルロックンロール
- エレクトロニック不確定性の音楽
- ヒップホップ・R&Bリズム・アンド・ブルース
- ブルース・カントリーブルーグラス
- ジャズハードバップ
- 宗教・霊歌ブルーグラス・ゴスペル
