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ポップ

J-POP

J-Pop

日本 / 東アジア · 1988年〜

1980年代末の日本で成立した、洋楽志向の歌謡曲を再ブランド化した大衆ポップ。

どんな音か

ボーカル中心の日本語ポップ。BPMは80台のバラードから150台のアップテンポまで広い。コード進行には、J-POPで多用される「王道進行」と呼ばれる定番の並び(明るさと切なさが交互に訪れる響き)があり、聞き覚えのある安心感を生む。サビの直前で一段転調する曲が多いのも、英語圏のポップではあまり聞かれない。アレンジはシンセ、ストリングス、ホーンを厚く重ね、サビでは複数のコーラスがメインを取り囲む。仕上げ(マスタリング)でも音量感を強く詰める傾向があり、海外のポップと並べて再生すると一曲だけ音がぐっと前に出る。その音圧の高さは、ひしめく音数とあいまって、世界のポップの中でも際立つ。

生まれた背景

1988年頃、東京のFMラジオ局J-WAVEが「日本の洋楽風ポップJ-POP」というラジオ・カテゴリーを作ったのが言葉の由来とされる。それまで主流だった歌謡曲と区別するための呼び名だった。1970年代末にデビューしたサザンオールスターズらを先行世代として、90年代に新しかったのは「量産とダンス」だ。小室哲哉が次々とヒット曲を送り出すダンス系ポップで時代を席巻し、Mr.Childrenはバンド形態の歌もので新しい世代の支持を集めた。世紀末に新しかったのは「R&B唱法の輸入」で、米R&B/ソウル色の濃い歌唱を持ち込んだ宇多田ヒカルが新しい標準を打ち立て、aikoら独自のコード感を持つシンガーソングライターも台頭した。2000年代にはBUMP OF CHICKENやコブクロといったバンド・シンガーソングライターが主役に回った。2010年代以降に当たり前になったのは「ボカロ出身が顔出し歌手になる」流れだ。ネット上の音声合成ソフト「ボーカロイド」向けに曲を作っていた作り手が、自ら歌手として、あるいは専属シンガーを立てて表舞台に出てくる(米津玄師、YOASOBIなど)。アニメやゲームのタイアップへの依存度が高いのも、他国のポップにはあまり見られない点だ。

聴きどころ

まず耳を引くのはサビ前の転調と、そこから一段上がる音域だ。「王道進行」が実際に鳴る瞬間に耳をすませば、明るさと切なさが交互に訪れるのが分かる。次に、ボーカルがどれだけ高音域を歌い切るかに注目したい。終盤、いったん伴奏が静かになって歌だけが残る瞬間(俗にいう「サビ落ち」)も聴きどころだ。タイアップ作品があるなら、それを先に観てから聴くと、作品の場面と歌詞が重なって聴こえ方が変わる。

リズムを聴く

このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。

K-POP(トラップ寄り) · 120 BPM

代表アーティスト

  • 松任谷由実日本 · 1972年〜
  • スピッツ日本 · 1987年〜
  • Mr.Children日本 · 1989年〜
  • 高橋洋子日本 · 1991年〜
  • 浜崎あゆみ日本 · 1995年〜
  • 宇多田ヒカル日本 · 1998年〜
  • 米津玄師日本 · 2009年〜

代表曲

日本との関係

J-POP自体が日本のジャンル)

初めて聴くなら

21世紀のJ-POPを1曲で代表させるなら、米津玄師『Lemon』(2018)。ヒットチャートでも紅白でもCMでもドラマでも鳴っていた、文字どおりの国民的ヒットで、だれもが一度は耳にしたという体験そのものがJ-POPの強みを表す。同じ国民的ヒットでも声の凄みで聴かせるのが、宇多田ヒカル『First Love』(1999)。16歳の声とは思えない安定したロングトーンが聴きどころだ。構造の妙で聴かせるのが、Official髭男dism『Pretender』(2019)。サビ前の転調と、サビ全体のメロディの強さが「2010年代後半のJ-POP」を象徴している。

豆知識

J-POP」はもともと和製英語で、後に英語圏の音楽メディアもこの呼称をそのまま使うようになって定着した。海外で再生される「J-POP」と、国内チャートの上位は、しばしば別の顔を持つ。海外で人気が高いのはYOASOBI、Ado、米津玄師、King Gnu、Mrs. GREEN APPLEなどアニメタイアップ経由の曲で、国内チャートはCD売上を背景にしたグループが長く上位を占めてきた。

影響・派生で結ばれたジャンル

J-POPを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 1988年前後 (±25年)