ラテン・カリブ

フラメンコ

Flamenco

アンダルシア / スペイン / 西ヨーロッパ · 1780年〜

スペイン南部アンダルシア地方の、歌・踊り・ギターからなる伝統芸能。

どんな音か

スペイン・アンダルシア地方の音楽。ナイロン弦のスペイン・ギター、歌(カンテ)、踊り(バイレ)、手拍子(パルマ)、足踏み(サパテアード)、カホン(箱型打楽器)が基本編成。BPMは曲種(パロ)によって違う。歌い手の声はしゃがれて、コブシをきかせ、絶叫に近い高音まで使う。ギターはアルペジオ、ピカード(速弾きスケール)、ラスゲアード(指の連続ストローク)と多彩。リズムは12拍を3-3-2-2-2に分割するブレリアスや、4拍系のソレアなど。アラブ、ユダヤ、ロマ(ジプシー)、キリスト教の音楽伝統が交差する独特の和声感がある。

生まれた背景

起源は18世紀末から19世紀初頭、アンダルシアのロマ(ヒターノ)、ムーア人系、ユダヤ系の音楽伝統が混ざり合う社会の底辺から生まれた。19世紀後半から「カフェ・カンタンテ」(フラメンコを聴かせる酒場)が成立し、20世紀前半にカマロン・デ・ラ・イスラ(カマロン)、20世紀後半にパコ・デ・ルシアが世界化した。1980年代以降、ファルキート、トマティート、ヴィセンテ・アミーゴ、エストレージャ・モレンテ、ロサリアと続く。

聴きどころ

12拍のブレリアス、ソレア・ポル・ブレリア、シギリージャの「コンパス」(拍の取り方)。歌い手のコブシ(メリスマ)、絶叫、ささやき。ギタリストとダンサーと歌い手と手拍子のあいだのコール&レスポンス。録音より、ライブで観るほうが圧倒的に分かりやすい音楽。

音楽的特徴

楽器フラメンコギター、カスタネット、手拍子(palmas)、声、靴音(zapateado)

代表アーティスト

  • Paco de Lucíaスペイン · 1958年〜2014
  • Camarón de la Islaスペイン · 1969年〜1992
  • Tomatitoスペイン · 1976年〜

代表曲

日本との関係

1960年代から日本人によるフラメンコ留学生が多く、ギターの大ベテラン井上敬三、東京のフラメンコ・タブラオ「ガルロチ」「ヴィオレタ」、ダンサーの小島章司らが世代的存在。世界的にも日本フラメンコ人口は本国スペインを除いて最大級。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Paco de Lucia & Camarón de la Isla『La Leyenda del Tiempo』(1979)。フラメンコの伝統と前衛が並走する代表作。最近のものなら、Rosalía『Malamente』(2018)。フラメンコポップに翻案した先駆。

豆知識

フラメンコ」の語源は諸説あるが、有力な一つは「flamenco(フラミンゴ)」と同じく、当時の南スペインで奇抜な踊りをする人を指す古い俗語から。2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された。

影響・派生で結ばれたジャンル

フラメンコを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

フラメンコ の系譜全体図(多段)を見る

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