フラメンコ
スペイン南部アンダルシア地方の、歌・踊り・ギターからなる伝統芸能。
まずはここから
ひとことで言うとスペイン南部アンダルシア地方の、歌・踊り・ギターからなる伝統芸能。
まずはこの曲からPaco de Lucía — Entre Dos Aguas ▶ YouTube
代表的な人La Niña de los Peines
どんな音か
フラメンコは、アンダルシア(スペイン南部)で18世紀末から19世紀初頭に成立した、カンテ(歌)・バイレ(踊り)・トケ(ギター)の三本柱による芸術だ。全体を支える骨格が「コンパス」と呼ばれる12拍のリズム周期で、これを曲種(パロ)ごとに違う配置でアクセントを打ち直す。重く暗いソレア(soleá)、突き刺すシギリージャ(seguiriya)、跳ねる祝祭のブレリア(bulería)、軽快なタンゴス・フラメンコス、山の匂いのファンダンゴなど、パロは20以上あり、それぞれ独自の歌詞形式、リズム、感情の温度を持つ。楽器編成はナイロン弦のフラメンコ・ギター1本+パルマ(手拍子)+カンタオール(歌手)+バイラオール(踊り手)+掛け声(jaleo)が最小構成で、1977年にパコ・デ・ルシアがペルー起源のカホン(木箱型打楽器)を導入して以降、これも標準編成に加わった。和声はモード(教会旋法)寄りで、E フリギアからのアンダルシア終止 Am-G-F-E がフラメンコの音の代名詞。声質は「voz afillá(掠れた声)」が最高位に置かれ、装飾音は微分音的な揺らぎで音符の間を滑る。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
まず12拍のコンパスに耳を慣らしてほしい。ソレアなら「1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12」で3, 6, 8, 10, 12にアクセント、シギリージャなら「2+2+3+3+2」の変則配置。次に、カンタオールが敢えて拍からずらして入り遅れて追いつく「タメ」の瞬間を探すこと。パコ・デ・ルシア『Entre Dos Aguas』ではラスゲアード(複数指で扇状に開く速いストローク)と、爪で隣弦にもたせかけて弾くピカードの速弾きが対比され、ゴルペ(胴打ち)がリズムを刻む三重構造が味わえる。カマロン『La Leyenda del Tiempo』はロルカ詩と電子鍵盤を乗せた歴史的転換点、Rosalía『Malamente』は12拍コンパスを808キックで刻む2020年代の翻案例だ。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- La Niña de los Peines
- Paco de Lucía
- Antonio Gades
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- Manolo Sanlúcar
- Enrique Morente
- Camarón de la Isla
- Tomatito
- Sara Baras
- Vicente Amigo
- Diego el Cigala
- Miguel Poveda
- Farruquito
- Israel Galván
- Niña Pastori
- Estrella Morente
- Rocío Molina
- Rosalía
代表曲
- Paco de Lucía — Entre Dos Aguas (1973)
- Paco de Lucía — Almoraima (1976)
- Camarón de la Isla — La Leyenda del Tiempo (1979)
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- Camarón de la Isla — Volando Voy (1979)
- Paco de Lucía — Spain (Concierto de Aranjuez) (1991)
生まれた背景
音楽的特徴の詳細
楽器フラメンコギター、カスタネット、手拍子(palmas)、声、靴音(zapateado)
その後の代表曲
- Niña Pastori — Cai (2005)
- Vicente Amigo — Roma (2013)
- Diego el Cigala — Compay Gato (2003)
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Miguel Poveda — Sonetos y Poemas (2013)
日本との関係
日本のフラメンコ受容は世界的にも特別に深い。1963年設立の「日本フラメンコ協会」は非スペイン圏で最大級の組織で、東京・大阪・京都・名古屋にプロのタブラオが常設されている(東京・銀座「エル・フラメンコ」は1967年開店、パコ・デ・ルシアとカマロンも来演)。小松原庸子(1931-2019、日本初のプロのフラメンコ舞踊家)、鍵田真由美、片桐勝彦、沖仁(2007年 スペイン主催「首都圏カテドラル」フラメンコ・ギター・コンクール優勝)、佐藤浩希、新井英一らが世代的存在。パコ・デ・ルシアは1970年代以降ほぼ毎年来日、東京文化会館・NHKホールが定番会場だった。彼が2014年2月に亡くなった際、東京フラメンコ・タブラオ各店では追悼公演が組まれた。1994年のリバダンス以降の「ケルト・ブーム」と平行して、1990年代から「フラメンコ・ブーム」も日本で継続的に起き、映画『フラメンコ』(1995、サウラ監督)『フラメンコ・フラメンコ』(2010)の日本公開が節目となった。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
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感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
フラメンコが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
