ライブラリ・ミュージック
テレビ・映画・広告で使う目的で制作された、版権処理済みの「即用」音楽群。1960-80年代の英KPMがアイコン。
どんな音か
ライブラリ・ミュージックは、テレビ、映画、広告、ニュース、スポーツ番組などで使いやすいように作られた実用音楽。ファンク、ジャズ、ラウンジ、ロック、電子音など、用途別に短く整えられている。Alan HawkshawやBrian Bennettの曲には、番組のオープニングや刑事ドラマの追跡場面にすぐ使えそうな即効性がある。
生まれた背景
1950年代以降、放送や映像制作の現場で、権利処理しやすい音源集として発展した。特に1960〜80年代のイギリスKPMなどのレーベルは、腕の立つスタジオ・ミュージシャンによる高品質な録音を大量に残した。元は裏方の音楽だったが、後にDJやサンプリング文化の中で再評価された。
聴きどころ
曲の短さと機能性を聴くと面白い。イントロ数秒で場面を立ち上げ、リフは覚えやすく、展開は編集しやすい。ファンク系ではドラムとベースの切れ味、ブラスの短い合図、エレピやギターの小技が詰まっている。
発展
1990年代以降、Hip HopプロデューサーとUKハウントロジー勢がLibrary Musicを再発見し再評価。Trunk Records、Be With Records等が再発を担った。
出来事
- 1966: KPM『1000 Series』 / 1974: Alan Hawkshaw『The Beat』 / 2000s: Trunk Records再発
派生・影響
Hauntology、Hip Hop sampling、Easy Listening。
音楽的特徴
楽器オーケストラ、シンセ、ドラムキット、ビッグバンド
リズム短尺機能音楽、シネマティック、テンポ多様
代表アーティスト
- Brian Bennett
- Alan Hawkshaw
代表曲
- Beat Me Til I'm Blue — Alan Hawkshaw (1972)
- The Champ — Alan Hawkshaw (1968)
Chase Side Shoot Up — Brian Bennett (1979)
Solid Bond — Brian Bennett (1970)
Action Beat — Alan Hawkshaw (1974)
日本との関係
日本でも放送用音楽、劇伴、CM音楽の文化は厚く、ライブラリ・ミュージック的な使われ方は身近にある。海外ライブラリ音源は渋谷系、レアグルーヴ、サンプリング好きの間で掘られ、テレビで聞いたような既視感のある音として楽しまれてきた。
初めて聴くなら
入口は「The Champ — Alan Hawkshaw (1968)」。サンプリングでも知られる強いブレイクがある。アクション感を聴くなら「Chase Side Shoot Up — Brian Bennett (1979)」。ファンクの切れ味は「Beat Me Til I'm Blue — Alan Hawkshaw (1972)」がよい。
豆知識
ライブラリ・ミュージックは、作曲家の自己表現より用途が先にある音楽だった。だからこそ、ジャンルの特徴が数十秒で伝わるように凝縮され、後のDJには宝箱のように聴こえた。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックフリー・インプロヴィゼーション
- ロック・メタルハードロック
- ロック・メタルプログレッシブロック
- ロック・メタルスペースロック
- ロック・メタルヘヴィメタル
- エレクトロニックアンビエント
- エレクトロニック新複雑性
- エレクトロニックインダストリアル
