ペンテコステ礼拝音楽
20世紀初頭以降のペンテコステ派・カリスマ運動から発達した、感情的高揚と即興を重視する礼拝音楽。
どんな音か
ペンテコステ礼拝音楽は、ペンテコステ派とカリスマ運動の礼拝から広がった、感情の高揚、反復、会衆参加を重視するキリスト教音楽。ロック、ポップ、ゴスペルの語法を取り込み、祈りの時間を長く保つ。舞台上のバンドと会衆の歌が一体化し、曲が終わるよりも、場の熱が続くことに価値が置かれる。
生まれた背景
1906年のアズサ・ストリート・リバイバル以降、聖霊体験を重視する礼拝文化の中で発展した。20世紀後半にはカリスマ運動、メガチャーチ、録音産業、映像配信によって国際化した。Hillsong Worshipのようなグループは、会衆賛美をポップ音楽の形式で世界に届け、教会音楽と商業音楽の境界を大きく変えた。
聴きどころ
曲そのものの構成だけでなく、同じフレーズを何度も歌うことで空気が変わる点を聴く。静かな導入、ドラムとギターの盛り上げ、全員で歌うサビ、最後の余韻が礼拝の流れを作る。派手な転調や大合唱に目が行きやすいが、会衆が歌いやすい音域と言葉の配置も重要である。
発展
20世紀後半のカリスマ運動・第三波運動でカトリック・主流派にも拡大、1990年代以降はオーストラリアのHillsong教会、米Bethel Music、Vineyard Music、Jesus Cultureらが世界的Praise & Worship産業を形成した。日本でもサンライズ・チャペルなど多くの教会で実践される。
出来事
- 1906: アスーザ・ストリート・リヴァイヴァル開始
- 1962: カトリック・カリスマ運動始動
- 1985: マラナタ・ミュージック隆盛
- 1996: ヒルソング『Shout to the Lord』世界的ヒット
派生・影響
現代CCM、Praise & Worship大衆音楽、Hillsong/Bethel系の世界的福音派音楽産業に直結する。Black Gospelとの相互影響も濃い。
音楽的特徴
楽器キーボード、ベース、ドラム、エレキギター、声、聖歌隊
リズムヴァンプ反復、ビルドアップ、即興、コール&レスポンス
代表アーティスト
- Hillsong Worship
代表曲
- Shout to the Lord — Hillsong Worship (1996)
- Mighty to Save — Hillsong Worship (2006)
- Oceans (Where Feet May Fail) — Hillsong Worship (2013)
- What a Beautiful Name — Hillsong Worship (2016)
- King of Kings — Hillsong Worship (2019)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「Shout to the Lord — Hillsong Worship (1996)」。現代ワーシップの国際的な定番として聴きやすい。続けて「Mighty to Save — Hillsong Worship (2006)」で会衆向けの大きなサビを、「Oceans (Where Feet May Fail) — Hillsong Worship (2013)」で長い祈りのような展開を聴くとよい。
豆知識
ペンテコステ礼拝音楽では、録音版よりライブ版が重要視されることが多い。曲は作品であると同時に、礼拝の場を導く道具でもあるためだ。観客ではなく会衆が歌う前提で作られる点が、通常のポップスと似ていても決定的に違う。
