ラテン・カリブ

ダンスホール

Dancehall

ジャマイカ / カリブ海 · 1980年〜

1980年代のジャマイカで成立した、デジタル機材を多用するToasting中心の音楽。

どんな音か

1980年代半ばのジャマイカで、レゲエがデジタル化したスタイル。BPM 70〜100。アコースティック楽器をすべて電子化(ドラムマシン、シンセ・ベース、シンセ・ホーン)し、ヴォーカルは歌うより半分ラップに近い「DJ-ing(ジャマイカ式MC)」が中心。リズムは「リディム」(同じトラックを複数の歌手が歌い回す慣習)が独自で、1つのリディムから10〜30曲が派生することも。歌詞はパトワ(ジャマイカ式英語)、テーマはダンスフロア、女性、ストリート、宗教、政治。

生まれた背景

1985年5月、キングストンのプリンス・ジャミーがリリースした「Sleng Teng」リディム(キング・ジャミーがCasioのキーボードのプリセットを使って作った)が、ダンスホールの始まりとされる。アコースティック・レゲエから完全電子化への決定的な瞬間。1980〜90年代にYellowman、Beenie Man、Buju Banton、Shabba Ranks、Bounty Killerが主流を作り、2000年代以降にMr. Vegas、Sean Paul、Vybz Kartel、Popcaanへ続く。レゲトンの直接の母体でもある。

聴きどころ

「リディム」(伴奏トラック)を意識して聴く。同じトラックを複数の歌手が違う歌詞・違うフロウで歌うので、リディム名(Diwali、Coolie Dance、Sleng Tengなど)を覚えると面白さが増える。DJ-ingのフロウ(言葉のリズム)はラップとも違う、ジャマイカ独自のうねり。ライブでは「DJ vs. DJ」のサウンドクラッシュ(対戦)文化が続いている。

代表アーティスト

  • Shabba Ranksジャマイカ · 1985年〜
  • Vybz Kartelジャマイカ · 1993年〜
  • Sean Paulジャマイカ · 1996年〜

代表曲

日本との関係

1990年代後半から横浜・湘南・大阪を中心にダンスホール・シーンが定着。Mighty Crown(横浜のサウンドシステム)は1999年にWorld Clash優勝、世界レベルで活動を続けている。PUSHIM、Pancho、HAN-KUN(湘南乃風)、Boy-Ken、CHEHON、Junior Daなど、日本レゲエ歌手の主流はダンスホール・スタイル。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Wayne Smith『Under Mi Sleng Teng』(1985)。ダンスホール時代のゼロ地点。最近のものなら、Sean Paul『Get Busy』(2003)、Vybz Kartel『Romping Shop』(2009)。日本のものなら、Mighty Crown『LIFE STYLE』。

豆知識

「Sleng Teng」リディムを作ったCasio MT-40キーボードは1981年発売の家庭用キーボードで、1万円台。「Rock」プリセットを2分の1速で再生したベースラインがそのまま採用された。このリディム1つから今でも300以上の曲が派生し続けている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代1970年代1980年代1990年代2010年代ダンスホールダンスホールレゲエレゲエダブダブボンゴ・フラヴァボンゴ・フラヴァレゲトンレゲトンゲンゲトーンゲンゲトーン凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ダンスホールを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

ジャマイカ · 1980年前後 (±25年)

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