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スペイン

Spain

西欧

スペインのチャートを開いて驚くのは、上位がスペインの曲ではないことだ。占めているのはBad Bunny、Karol G、Rauw Alejandroといったレゲトン勢、つまり中南米の音楽である。レゲトンとは、カリブ生まれの跳ねるようなビートを土台にしたラテン版ヒップホップだ。これに対抗するのが、フラメンコの歌い回しをポップに溶かしたRosalíaや、Quevedoといった自国のスターたちだ。一方フラメンコ自体は観光向けや中高年層のあいだに残るものの、商業チャートにはほぼ顔を出さない。こうなると、スペインの「国内チャート」という言葉自体がもう実態に合っていない。ここで鳴っているのは外国の音楽ではなく、大西洋をまたいだスペイン語圏全体が共有するポップなのだ。

自国アーティストの人気曲

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

Z世代は、国内か中南米かを問わずレゲトンばかり聴き、男性はさらにラテン・トラップも好む。30代以上には、2000年代のスペイン・ポップ(国民的バンドEstopa、しっとりした女性ボーカルのLa Oreja de Van Gogh)を青春の音楽として大事にしている層がいる。カタルーニャ州・バスク州ではそれぞれの言語による独自のシーン(カタルーニャ語ラップなど)があり、地域のアイデンティティを真剣に受け止める聴き手がいる。だから同じ国でも、世代ごと・地域ごとにまるで違う音楽の地図が何層にも重なっている。

参考資料

- Promusicae España - Spanish Charts: https://spanishcharts.com/