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アイルランド

Ireland

西欧

人々が日常的に英語を話すこともあって、アイルランドのチャートはその大半を隣のイギリスアメリカ合衆国のヒット曲が握り、自国のアーティストが上位に食い込みにくい珍しい市場だ。そのため業界団体IRMA(アイルランド・レコード産業協会)は、イギリスのチャート集計機関(Official Charts Company)に委託して、アイルランド人だけを集めた別ランキング「Irish Homegrown Chart」を設けているほどだ。その自国シーンを率いるのは、世界的ヒット「Take Me to Church」のHozier。教会の聖歌を思わせるソウルフルな弾き語りで知られる。その系譜に連なるのが、Dermot Kennedyや、カントリー寄りのポップを書くCMATだ。いずれもフォークアメリカ合衆国のルーツ音楽(アメリカ合衆国ーナ)の影響が濃い。さらに、アイルランド語(ゲール語)のラップが、国境をまたいで島全体に新潮流として広がりつつある。その代表が、北アイルランド出身のグループKneecap。政治色の強い歌詞で、周縁の音楽を全国的な論争の的にまで押し上げた。古くからの伝統音楽(トラディショナル)は、配信よりもむしろ生演奏と観光のなかで生き続けている。

自国アーティストの人気曲

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

Z世代が聴くのはほぼ米英のポップで、近年はアメリカ合衆国カントリーも伸びている。自国アーティストは少数派にとどまる。地方(コーク、ゴルウェイ)ではトラディショナル・アイリッシュ音楽が結婚式やパブで生き続けている。中高年層は、The DublinersやChristy Mooreといったフォーク歌手の系譜を今も聴き継いでいる。アイルランド語ラップは聴取数こそ小さい。だが鋭く政治的なアイルランド語の歌詞ゆえに、文化的な議論のなかでは聴取数をはるかに超える存在感を放っている。

参考資料

- Official Irish Singles Chart: https://www.officialcharts.com/charts/irish-singles-chart/