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フィリピン

Philippines

東南アジア

K-popも洋楽も流入する東南アジアにあって、フィリピンはヒットチャートのほぼ全てを国産曲が占める希少な市場だ。実際、Spotifyフィリピンのランキング上位はCup of JoeやBen&Benといった地元バンドでほぼ埋め尽くされている。なかでもCup of Joe「Multo」は別格だ。約5億1500万回もの再生を集め――フィリピン人ほぼ全員が一度は耳にした計算になる怪物ヒットで――OPM(オリジナル・ピリピノ・ミュージック=フィリピン人による国産ポップス全般。中でもバンドやバラードが長く中心を担ってきた)史上、最も再生された曲となった(2026年2月、Spotify)。これは前任のUDD(旧Up Dharma Down)「Tadhana」を抜いての記録だ。Billboard フィリピン Hot 100でも累計33週にわたり首位に立ち、同チャート史上最長を更新した。新しい潮流として、韓国K-popに着想を得たアイドル文化「P-pop」(SB19、BINIなど)も急成長している。洋楽ポップも自然に居場所を見つけるが、主役の座までは届かない。英語が通じ、洋楽もすぐ手が届く国でありながら、人々が選ぶのはあくまで地元の声だ。

自国アーティストの人気曲

  • Multo 幽霊Cup of Joe · 2024
    OPM / インディーバンド

    Billboard フィリピン Hot 100で27週連続首位の歴史的曲。「君と過ごした記憶は幽霊のように僕につきまとう」と歌うバラード。OPM史上最ストリーム曲。

    Kahit saan ako tumingin, ikaw ang aking nakikitaどこを見ても、君ばかりが見える。
  • Pagsamo 懇願Arthur Nery · 2021

    フィリピンR&Bの旗手・Arthur Neryの代表曲。失恋した相手にもう一度チャンスをくれと懇願する、繊細なバラード。

  • GENTOSB19 · 2023

    フィリピン国民的P-popボーイズグループSB19の代表ヒット。「GENTO」(金)に向かう自分の物語、力強いタガログ語ラップ。2025年に5.5万人収容のPhilippine Arenaで2夜連続ソールドアウト。

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

20代以下では、好みが性別できれいに割れる。K-pop風のアイドル文化P-pop(SB19、BINIなど)は主に女性に、ヒップホップ(Skusta Clee、Flow Gなど)は主に男性に聴かれる。30代以上は、しっとりとしたOPMバラードを支える中心層で、Moira Dela Torreらの楽曲が好まれる。フィリピンのポップスはもともとバンド主体のバラード文化で、若い世代はそこからアイドルやヒップホップへ広がり、上の世代はバラード寄りに留まる。首都マニラと地方の好みの差は、東南アジアの他国に比べて小さい。英語が広く通じるため、海外のポップスもすんなり受け入れられている。

参考資料

- Spotify Philippines Daily: https://kworb.net/spotify/country/ph_daily.html - Philstar Multo 5.13億達成: https://www.philstar.com/music/2026/02/20/2509256/cup-joes-multo-now-most-streamed-opm-song-spotify