フューチャー・ファンク
Vaporwaveから派生した、80年代日本のCity PopやDiscoをチョップ&サンプルして踊れるテンポに整えたサブジャンル。
どんな音か
生まれた背景
2013年頃、ヴェイパーウェイヴの派生としてアメリカ合衆国・カナダ・欧州のSoundCloud上で同時多発的に成立。Saint Pepsi(後にSkylar Spence)『Hit Vibes』(2013)、Macross 82-99、Yung Bae、Night Tempo、Especialなどが代表。日本のシティポップへのアクセスが2010年代後半に急拡大したことで、フューチャー・ファンクは世界的に広まった。Plastic Loveブーム(2017〜)以降、日本のシティポップ自体も再発見され、フューチャー・ファンクはその「サブジャンル」として定着した。
聴きどころ
1980年代の日本シティポップ・サンプル(竹内まりや、菊池桃子、松原みき、寺尾紗穂、Anriなど)が、ピッチ変更・速度変更・エコー処理で再構築されたところ。原曲を知らなくても聴けるが、原曲を知っているとサンプルの抜粋点や速度比較で楽しさが倍になる。日本以外のフューチャー・ファンク作家(Saint Pepsi、Yung Baeなど)が、シティポップへの愛と二次創作の境界で作る独特の温度感。
発展
Yung Bae、Night Tempo、Macross 82-99らが2014年以降中心となり、AnimeフッテージMVの標準化が進んだ。2017年以降のCity Popリバイバル(『真夜中のドア』バイラル等)と相互強化し、日本のアーティスト本人とのコラボも増加した。
出来事
- 2013: Saint Pepsi『Hit Vibes』 / 2015: Macross 82-99『Sailorwave』 / 2018: Night Tempoが竹内まりや「Plastic Love」公式リミックス / 2020: 『真夜中のドア / Stay With Me』バイラル化
派生・影響
Vaportrap、Disco House、Nu-disco、City Pop再評価ムーブメントと連動。
音楽的特徴
楽器サンプラー、DAW、フィルター、シティポップ素材
リズム110-130 BPM、4つ打ち、フィルターハウスのループ
代表アーティスト
- Saint Pepsi
- Macross 82-99
- Night Tempo
- Yung Bae
代表曲
Hit Vibes — Saint Pepsi (2013)
Bae 5 — Yung Bae (2018)
Plastic Love (Night Tempo Showa Idol Mix) — Night Tempo (2018)
Skylar Spence — Saint Pepsi (2013)
Sailorwave — Macross 82-99 (2015)
日本との関係
フューチャー・ファンクそのものが日本のシティポップを直接の素材としているため、日本との関係は最も密接。Night Tempo(韓国・東京拠点)は2010年代後半から東京で活動、シティポップの再発見と二次創作を架橋している。日本のシティポップ・アーティストの再発見・再評価がフューチャー・ファンク経由で進んでいる。
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、Saint Pepsi『Skylar Spence』(2013)。フューチャー・ファンクの代表的1曲。Macross 82-99『Sailorwave』(2013)、Yung Bae『Bae City Rollaz』。Night Tempo『SHOWA IDOL'S』も入りやすい。
豆知識
「フューチャー・ファンク」という名前は、2013〜14年にSoundCloud上で複数のプロデューサーが同時期に名乗り始めた呼称。その背景には、ヴェイパーウェイヴが「過去への憂愁」を扱うのに対し、「もっと明るく踊れる方向」へ進化させたいという感覚があった。Plastic Love(竹内まりや、1984)が世界的バイラルを起こした2017〜18年、フューチャー・ファンクは「シティポップ・ブームの先駆けジャンル」として再評価された。
