EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)
1980年代初頭ベルギー・ドイツで成立した、IndustrialとSynth-popを橋渡しするダンス志向電子音楽。
まずはここから
ひとことで言うと1980年代初頭ベルギー・ドイツで成立した、IndustrialとSynth-popを橋渡しするダンス志向電子音楽。
まずはこの曲からDAF — Der Mussolini ▶ YouTube
代表的な人DAF
どんな音か
EBMの音は硬い。シンセベースが「ブン、ブン」と低音域を押し上げ、打ち込みのドラムはメタリックで、スネアの代わりに電子的なクラップが短く乾いた音を刻む。BPMは130〜150台で、テンポはダンス向きだが踊り方はディスコと違って硬直した、攻撃的な動きに向いている。ヴォーカルは命令形や呪文的な繰り返し句を使うことが多く、Front 242の「Headhunter」ならチャントのように「1-2-3-4, one man on a lonely platform」が繰り返される。DAFのドイツ語ヴォーカルはほぼラップに近い断言口調で、音楽の攻撃性と一体化している。声にも電子的な処理が施されることが多く、ロボットのような金属感がある。
聴きどころ
Front 242の『Headhunter』(1988年)ではシンセベースのリフが最初から最後まで変わらず、その上でヴォーカルとパーカッションが変化していく構造を聴く。「どこで変わらないか」を意識すると、EBMのミニマリズムがより明確になる。Nitzer Ebbの『Join in the Chant』(1987年)ではヴォーカルが命令形の短いフレーズを叫ぶように繰り返し、音楽全体が儀礼的な雰囲気を帯びる。
初めて聴くなら
Front 242の『Headhunter』(1988年)から。ダンスフロアを意識した音量と低音で聴くと、このジャンルの設計がよくわかる。次にDAFの『Der Mussolini』(1981年)を聴くと、EBMの原型がいかに挑発的でストリップされた形をしているかが対比できる。どちらも踊りながら聴くことを想定した音楽で、静止した状態では魅力の半分しか伝わらない。
代表アーティスト
- DAF
- Front 242
- Nitzer Ebb
代表曲
- DAF — Der Mussolini (1981)
- Nitzer Ebb — Join in the Chant (1987)
- Front 242 — Headhunter (1988)
もっと見る(あと2件)
- Front 242 — Welcome to Paradise (1988)
- Nitzer Ebb — Murderous (1989)
生まれた背景
EBM(EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック))という名称はFront 242自身が1984年に命名したとされる。その前史として1981年のドイツのDAFが「Der Mussolini」で超ミニマルな電子ダンスと挑発的な歌詞を組み合わせ、同年イギリスのThrobbing GristleやCabaret Voltaireがインダストリアルの実験を継続していた。
音楽的特徴の詳細
楽器シンセ、シーケンサー、ドラムマシン、声
リズム120-140 BPM、機械的シーケンス、シャウト
発展
1990年代にIndustrial Rockへ吸収される一方、Aggrotech/Future Popなど派生をも生み、2010年代後半のテクノシーン(Berghain系)で再評価された。
出来事
- 1981: DAF『Alles Ist Gut』 / 1988: Front 242『Front by Front』 / 1989: Nitzer Ebb『Belief』
派生・影響
Industrial Rock、Aggrotech、Industrial Techno。
日本との関係
豆知識
「EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)」という名称はFront 242のメンバーが名付け親とされているが、それ以前にインダストリアル批評家がFront Line Assemblyなどの音楽を指して非公式に使っていた可能性もある。DAFの「Der Mussolini」はタイトルと歌詞のためにドイツの一部メディアで放送禁止になったが、バンドは社会批判として制作したと説明し、受容と拒否の間で話題を集めた。
影響・派生で結ばれたジャンル
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