エレクトロニック

ドラムンベース

Drum and Bass

イギリス / 西ヨーロッパ · 1992年〜

1990年代初頭のイギリスで成立した、高速ブレイクビーツと重低音を特徴とする電子音楽。

どんな音か

BPM 160〜180の超高速電子音楽。「ブレイクビーツ」(古いファンク・ジャズのドラム・ソロをサンプリングして高速化したもの)が中心。具体的には1969年録音のウィンストンズ『Amen, Brother』のドラム・ブレイク(7秒間)が、ジャンル全体の祖型として何万曲にもサンプリングされている。低音はサブベース、シンセ・ベースが主。曲尺は5〜7分、DJミックス用の長尺。ヴォーカルはほぼ無し、たまに女性歌手のフレーズが挿入される程度。

生まれた背景

1991〜92年のイギリスジャングル(後述)から派生して1994年頃に「ドラムンベース」として独立。Goldie『Inner City Life』(1994)、LTJ Bukem、Roni Size、Dillinjaらがシーンを作った。1990年代後半にPhotek、Squarepusher(シカゴ・ドリル'n bass寄り)、2000年代にPendulum、High Contrast、Noisia、Nokstoid(オーストラリアのhigh-energy系)、現在は「リキッド」(ジャズ寄り)、「ニューロファンク」(ハードコア寄り)、「ジャンプアップ」(コミカル系)など多数のサブジャンルに分化している。

聴きどころ

「Amen Break」を聴き分けられるようになると、ジャンル全体が見える。ベースラインの低さと深さ。同じ歌曲尺でもキック・パターンが何度も切り替わる、複雑なリズム編集。ライブでは観客全員が走るような速いビートを身体で受け止める感覚。

音楽的特徴

リズム160-180 BPM、刻まれたブレイクビーツ、重低音

代表アーティスト

  • Alex Reeceイギリス · 1992年〜
  • Goldieイギリス · 1992年〜
  • Roni Sizeイギリス · 1992年〜
  • Ed Rush & Opticalイギリス · 1996年〜
  • Pendulumオーストラリア · 2002年〜
  • Chase & Statusイギリス · 2003年〜
  • Noisiaオランダ · 2003年〜2022

代表曲

日本との関係

1990年代後半に新宿LIQUIDROOM、芝浦GOLDなどでD&Bパーティが定着。日本人プロデューサーでは、Makoto(リキッド系)、PaulSGなどがイギリスレーベルから定期的にリリース。Boom Boom Satellitesは初期にD&Bを取り入れていた。

初めて聴くなら

古典なら、Goldie『Inner City Life』(1994)。ジャズ寄りリキッドなら、LTJ Bukem『Music』。攻撃的なニューロファンクなら、Noisia『Machine Gun』。日本のものなら、Makoto『Believe in My Soul』。

豆知識

「Amen Break」(7秒間のドラム・ソロ)は、ジャンルの推定2万〜10万曲でサンプリングされたとされる。原曲のドラマー、グレゴリー・コールマン(ウィンストンズ)は2006年に貧困のうちに死去し、生涯使用料を1ドルも受け取らなかった。2015年にイギリスでクラウドファンディングが行われ、彼の遺族にようやく約2万4千ポンドが渡った。

影響・派生で結ばれたジャンル

ドラムンベースを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1992年前後 (±25年)

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