エレクトロニック

ドリルンベース

Drill'n Bass

イギリス / 西ヨーロッパ · 1996年〜

1990年代後半、Drum'n Bassを極限まで複雑化したIDM寄りサブジャンル。

どんな音か

ドリルンベースは、ドラムンベースの高速ブレイクビーツを、IDM的な編集でさらに細かくねじった電子音楽。スネアは通常のリズムを超えて乱射され、ベースはジャズファンクのように跳ねることもある。Squarepusherは超高速のドラムと生ベース感を結びつけ、Venetian Snaresは拍子や編集をさらに切り刻む。

生まれた背景

1990年代後半のイギリスで、ジャングルドラムンベース、IDM、ブレイクコアの近い場所から呼ばれるようになった。クラブで踊るためのドラムンベースを、家で聴く電子音楽として過剰に複雑化した面がある。WarpやRephlex周辺の実験精神ともつながる。

聴きどころ

速さに圧倒される前に、スネアの切れ目とベースの動きを聴くとよい。拍が崩れているようでも、どこかに周期があり、そこへ細かな音が大量に詰め込まれる。ジャズ的な和音やメロディが入る曲では、暴走するドラムと柔らかい音色の差が面白い。

発展

後のBreakcore、IDMビート系の母体となり、2000年代以降は Footwork/Juke にも影響を残した。

出来事

  • 1996: Squarepusher『Feed Me Weird Things』 / 2001: Aphex Twin『Drukqs』

派生・影響

IDM、Breakcore、Footwork。

音楽的特徴

楽器DAW、サンプラー、ブレイクビーツ

リズム160-200 BPM、超複雑なドラム編集

代表アーティスト

  • Squarepusherイギリス · 1995年〜
  • Venetian Snaresカナダ · 1996年〜

代表曲

日本との関係

日本ではIDM、ブレイクコア、ゲーム音楽的な高速打ち込みを好むリスナーに届いた。一般的なクラブヒットではないが、複雑なリズムを楽しむ電子音楽ファンには定番の一角である。日本の同人電子音楽や音ゲー文化の高速BPM感覚とも相性がよい。

初めて聴くなら

入口は「Come On My Selector — Squarepusher (1997)」。高速でありながら曲の輪郭が分かりやすい。より暴力的な編集へ進むなら「Coke — Venetian Snares (2003)」。美しい旋律との対比を聴くなら「Hajnal — Venetian Snares (2005)」もよい。

豆知識

ドリルンベースのdrillは、ドリルのように細かく穴を開けるイメージで、ブレイクビーツを極小単位まで刻む感覚をよく表している。踊る音楽の速度を、聴覚のパズルへ変えたジャンルでもある。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1990年代ドリルンベースドリルンベースIDMIDMドラムンベースドラムンベースブレイクコアブレイクコア凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ドリルンベースを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1996年前後 (±25年)

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