シューゲイズ
1980年代末のイギリスで成立した、ノイズとリバーブで包んだ轟音ロック。
どんな音か
BPM 100〜140のオルタナ系ロック。エレキギター(歪み・リバーブ・ディレイ・コーラスを大量に重ねる「ウォール・オブ・サウンド」)、エレキベース、ドラム、ヴォーカル(ささやくような中性的トーン、男女どちらも)。ギター中心の分厚い音響の壁、その中にうっすら歌が浮かぶ構造。歌詞は英語、テーマは恋愛、内省、夢、性、抽象的なイメージ。録音はわざと音像をぼかし、楽器の境界を曖昧にする。「靴を見つめる(shoe + gaze)」という名前は、ライブでギタリストがエフェクター(足元の機器)を踏むため、ずっと下を向いていることに由来。
生まれた背景
1980年代末〜90年代前半の英国南部。My Bloody Valentine『Loveless』(1991、4年と50万ポンドをかけて作られた伝説的傑作)、Slowdive『Souvlaki』(1993)、Lush、Ride、Cocteau Twins(より広義)が代表。1990年代半ばのブリットポップ(Oasis、Blur)台頭で商業的に縮小し、シーンは事実上1996年頃に終焉。2000年代後半以降、Asobi Seksu(ニューヨーク日系)、M83、Beach ハウス、Wild Nothing、最近ではWishy、Hotline TNT、Wednesdayなど世代を超えたリバイバルが続いている。
聴きどころ
「ウォール・オブ・サウンド」: 複数のギター・トラックが何層にも重なり、個々の音が判別不可能な分厚い壁を作る。ヴォーカルがギターの音響に埋もれていて、歌詞が聴き取れないことが多い(意図的)。ベースが珍しく前面に出て、ドラムが控えめなのも特徴。My Bloody Valentine『Soon』のギター・サウンドの揺れ(トレモロ・アーム使用)は教科書的。
代表アーティスト
- Cocteau Twins
- My Bloody Valentine
- Ride
- Slowdive
代表曲
- Soon — My Bloody Valentine (1990)
- Vapour Trail — Ride (1990)
- Only Shallow — My Bloody Valentine (1991)
- Sometimes — My Bloody Valentine (1991)
- When the Sun Hits — Slowdive (1993)
