ジャズ

アシッドジャズ

Acid Jazz

ロンドン / イギリス / 西ヨーロッパ · 1987年〜

1980年代後半のロンドンで生まれた、Jazz・Funk・Soul・Hip Hopをクラブ志向で融合した音楽。

どんな音か

キックは前に出ず、ベースラインが船のスクリューのように回転している。チョップされたホーンセクション(トランペット・サックス)が短い語呂合わせのように挿入され、ボーカルは R&B のような喉の開き方でリラックスしている。リズムの総延長は 100BPM 前後ながら、シンコペーションと楽器の絡みで身体が揺れる。1990 年代のクラブでは『聴き手が踊らずに飲んでいられるダンスミュージック』として機能していた。

生まれた背景

1987 年のロンドンでジャズ LP の再発売ブーム(Funk Funk、Rare Groove)とハウスクラブシーン が接触し生まれた。Jamiroquai の Jay Kay はサンプリング LP を漁り、2 小節のオーボエリフを何度もリピートして曲を作った。当時ロンドン東部(Hoxton、Shoreditch)のクラブでは DJ がアメリカ合衆国 1970 年代の Funk・Soul・Fusion LP を回しており、それらを現代風に再構成する需要が出ていた。

聴きどころ

ベースの置き方とホーンセクションのタイミング。Jazz 的な即興性がありながらも、ビート感は完全にクラブ向けに整理されている。Jamiroquai の場合、サビ前の『ため』をどう作るか、ブレイク後のノリの復帰をどう快感的にするかが特に研究されている。

代表アーティスト

  • Incognitoイギリス · 1979年〜
  • The Brand New Heaviesイギリス · 1985年〜
  • Jamiroquaiイギリス · 1992年〜

代表曲

日本との関係

1990 年代中盤から後半、日本シティポップ・ファンや渋谷のクラブが アシッドジャズ を導入し始めた。90 年代後半のテレビ CM 音楽でも多用され、ポップなイメージの定着もある。

初めて聴くなら

Jamiroquai『Virtual Insanity』(1996)はアシッドジャズの標準形で入りやすく、続けて『Cosmic Girl』でベースラインの遊び方を感じる。

豆知識

アシッドジャズ』という名は、Acid ハウス と Jazz を融合させるという意図から命名されたが、実は Acid ハウス の『Acid』(LSD)とは関係がなく、単なる Jazz のノスタルジア+ファンク再発見ムーブメントである。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代1980年代1990年代2010年代アシッドジャズアシッドジャズファンクファンクフュージョンフュージョンニュー・ジャズニュー・ジャズUKソウルUKソウル凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
アシッドジャズを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1987年前後 (±25年)

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