エレクトロニック

電子音楽

Elektronische Musik

ケルン / ドイツ / 中央ヨーロッパ · 1951〜1980年

1951年ケルン放送局で創設された、純粋な電子発生音のみで作曲する音楽。

どんな音か

電子音楽、特にケルンの電子音楽は、録音した現実音ではなく、発振器などで作った純粋な電子音を素材にする音楽。サイン波、ノイズ、フィルター、テープ編集によって、楽器では出せない音色と時間を作る。Stockhausenの「習作I」では、音が点として配置され、のちの「少年の歌」では電子音と少年の声が融合する。

生まれた背景

1951年、西ドイツのケルン放送局電子音楽スタジオを中心に発展した。フランスのミュジック・コンクレートが現実音を扱ったのに対し、ケルンでは電子的に生成した音を厳密に構成することが重視された。戦後前衛、セリー音楽、放送技術が結びついた実験だった。

聴きどころ

楽器らしさを探すより、音の高さ、長さ、空間配置の精密さを聴く。初期作品では冷たい点の連なりに聞こえるが、音色が少しずつ変化し、テープ上で組み立てられている。「コンタクテ」では電子音と打楽器、ピアノの接触がより劇的になる。

発展

シュトックハウゼン「習作I」(1953)、「習作II」(1954)、「少年の歌」(1956、電子音と少年合唱の併用)、「コンタクテ」(1960)が画期的作品。ケルン以外でもミラノ、ワルシャワ、東京(NHK電子音楽スタジオ)に同様のスタジオが設立され、世界規模で発展した。

出来事

  • 1951: ケルン放送局電子音楽スタジオ開設
  • 1953: シュトックハウゼン「習作I」
  • 1956: シュトックハウゼン「少年の歌」
  • 1960: シュトックハウゼン「コンタクテ」

派生・影響

ライヴ・エレクトロニクス、ミックスト音楽、IDM、テクノ、アンビエント、現代映画音楽の電子書法に決定的影響を与えた。

音楽的特徴

楽器電子発振器、テープ、スタジオ機材

リズムシリアルな組織、純電子音源

代表アーティスト

  • カールハインツ・シュトックハウゼンドイツ · 1950年〜2007

代表曲

日本との関係

日本ではNHK電子音楽スタジオや武満徹、黛敏郎らの実験と並んで、戦後電子音楽の重要な参照点となった。シンセポップテクノの直接の祖先というより、電子音を作曲対象にした現代音楽として受け止められている。

初めて聴くなら

歴史の出発点として「習作I — カールハインツ・シュトックハウゼン (1953)」。声と電子音の融合を聴くなら「少年の歌 — カールハインツ・シュトックハウゼン (1956)」。より大きな音響体験は「コンタクテ — カールハインツ・シュトックハウゼン (1960)」がよい。

豆知識

電子音楽は、現在の電子音楽全般を指す言葉とは少し違う。歴史的には、ケルンのスタジオで純粋電子音を組織した戦後前衛の流れを指すことが多い。

影響・派生で結ばれたジャンル

電子音楽を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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ドイツ · 1951年前後 (±25年)

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