エレクトロニック

ジャングル

Jungle

イギリス / 西ヨーロッパ · 1991年〜

1990年代初頭のロンドンで成立した、Reggae・Dub・ブレイクビーツを融合したダンス音楽。

どんな音か

BPM 160〜180の超高速電子音楽。「Amen Break」(ウィンストンズ『Amen, Brother』1969のドラム・ソロ7秒間)を高速サンプリングして再構築したブレイクビーツが中心。サブベース、レゲエのリズム感、ラガMC(ジャマイカ式ラップ)、シンセ・ストリングスの空間。曲尺は5〜7分のDJ向け長尺。歌詞は英語、ジャマイカ・パトワ訛り、テーマはストリート、ダンス、自己肯定、カルチャーへの愛着。録音はクラブのサウンドシステムを意識した重低音と、ハイハットの細かいシャープな音色。

生まれた背景

1990〜92年のイギリス、ハードコア・テクノとレゲエ/ダンスホールが融合して成立。当初は「Hardcore ジャングル」「ジャングル Tekno」と呼ばれ、1993年頃に「ジャングル」として独立した。SL2『On a Ragga Tip』(1992)、Shy FX『Original Nuttah』(1994)、Goldie『Inner City Life』(1994)が代表。1995年頃にジャングルから「ドラムンベース」が分離し、ジャングルはより「ラガMC、レゲエ・サンプル、ストリート」寄りの方向で継続した。2010年代以降、Chase & Status、Sub Focus、最近のリバイバル(Sherelle、Tim Reaper、Coco Bryce)で世代を超えた継承がある。

聴きどころ

「Amen Break」の高速チョップ(刻み)。1秒のなかでドラムのキック・スネア・ハイハットを再配置するエディット技術。サブベースの深さ。レゲエのスキャ(裏拍ギター)サンプルが時々挿入される。ラガMCの掛け声(「Bo! Bo!」「Ragga ragga!」)が独特の温度感を作る。

代表アーティスト

  • General Levyイギリス · 1988年〜
  • Goldieイギリス · 1992年〜
  • Lemon Dイギリス · 1992年〜
  • Shy FXイギリス · 1992年〜
  • Ganja Kruイギリス · 1996年〜

代表曲

日本との関係

1990年代後半に新宿LIQUIDROOM、芝浦GOLDなどでジャングル・パーティが定着。日本人プロデューサーではDJ Krush(初期)、Makoto、Pal Joeyなどが活動。Boom Boom Satellitesは初期にジャングルの語法を取り入れていた。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Shy FX『Original Nuttah』(feat. UK Apache)(1994)。ジャングルの代表的1曲。Goldie『Inner City Life』(1994)、SL2『On a Ragga Tip』(1992)。最近のリバイバルなら、Sherelle『160 Down the A406』(2019)。

豆知識

「Amen Break」(7秒間のドラム・ソロ)は、ジャンル全体で何万曲にもサンプリングされた歴史的素材。原曲のドラマー、グレゴリー・コールマン(ウィンストンズ)は2006年に貧困のうちに死去し、生涯使用料を1ドルも受け取らなかった。「ジャングル」という名前は、ロンドンのDJが「ジャマイカ系の音楽=ジャングルの音」という当時の俗な発想で付けた呼び名で、当事者にも論争があった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代1970年代1990年代ジャングルジャングルレゲエレゲエダブダブドラムンベースドラムンベース凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ジャングルを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1991年前後 (±25年)

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