ポップ

ボーカロイド

Vocaloid

日本 / 東アジア · 2007年〜

2000年代後半の日本で、合成音声ソフト初音ミクを中心に成立したインターネット音楽文化。

どんな音か

ヤマハが2003年に発表した歌唱合成エンジン「VOCALOID」を使用した楽曲群。BPM 100〜180と幅広い。シンセサイザー、ピアノ、エレキギター、エレキベース、ドラム、効果音。VOCALOIDのキャラクター(初音ミク、巡音ルカ、KAITO、MEIKO、鏡音リン・レンなど)が歌唱を担当。人間が歌うよりも高音域・速いパッセージが可能なため、楽曲は人間ヴォーカルより複雑になる傾向。歌詞は日本語が中心、テーマは恋愛、青春、孤独、SF、社会批判、内省、悲劇。録音はクリアで打ち込みらしい質感、ニコニコ動画/YouTube視聴を意識した混合。

生まれた背景

2003年にヤマハがVOCALOIDエンジンを発表、2007年にクリプトン・フューチャー・メディアが「初音ミク」(緑の髪のキャラクター付き)を発売したのが世界的な広がりの起点。ニコニコ動画(2006年開設)が「ボカロP(ボーカロイド・プロデューサー)」が自作曲を投稿する場を提供し、ryo(『メルト』2007)、wowaka(『ワールズエンド・ダンスホール』2010)、ハチ/米津玄師(『マトリョシカ』2010)、kemu、じん、DECO*27、Mitchie M、ピノキオピー、Adoの配信元の作曲者(syudou、Misumi、Tom-H@ck)など、多数の若い作曲家を輩出した。2020年代以降、AdoやYOASOBIなど「ボカロ出身ジャンル」が日本ポップの主流となっている。

聴きどころ

VOCALOIDの音色: 人間声の合成だが、独特の機械的な質感が残る。これを「弱点」と捉えず「楽器の個性」として活かす作曲。人間が歌えない超高速・高音域の旋律が頻発。歌詞は文学性が高く、繰り返し聴くほど発見がある。MV(ニコニコ動画/YouTube)と一緒に視聴する文化。

代表アーティスト

  • ryo (supercell)日本 · 2007年〜
  • 初音ミク日本 · 2007年〜
  • 黒うさP日本 · 2008年〜
  • wowaka日本 · 2009年〜2019
  • ハチ日本 · 2009年〜
  • 米津玄師日本 · 2009年〜

代表曲

日本との関係

(VOCALOID自体が日本発)。ニコニコ動画、初音ミク、ボカロPが2007〜15年に作った文化が、現代の日本ポップの根幹を作った。米津玄師、YOASOBIのAyase、Adoの作家陣(syudou、Misumi)、椎名林檎の楽曲提供者の多くがボカロP出身。海外では北米・欧州・東南アジアの初音ミクライブが熱狂的に開催されている。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、ryo (supercell)『メルト』(2007、初音ミク)。VOCALOID時代を切り開いた楽曲。wowaka『ワールズエンド・ダンスホール』(2010、初音ミク・GUMI)、ハチ(米津玄師)『マトリョシカ』(2010、初音ミク・GUMI)、Hachi『砂の惑星』(2017)。

豆知識

初音ミクの「ミク」は「未来(の音)」が由来、「初音」は「初めて」を意味する。彼女の声は声優の藤田咲(当時22歳)から採取された音素を合成したもの。クリプトン・フューチャー・メディア社は当初2万本売れれば成功と見込んでいたが、発売3週間で初週分が完売、現在まで世界的な存在に成長した。米津玄師は「ハチ」名義でボカロPとして2009年に活動開始、2012年に本名で歌手デビュー、現在は日本ポップ界の頂点。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1980年代2000年代ボーカロイドボーカロイドJ-POPJ-POP凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ボーカロイドを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ボーカロイド の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 2007年前後 (±25年)

ジャンル一覧へ戻る