ロック・メタル

日本のマスロック

Japanese Math Rock

東京 / 日本 / 東アジア · 2000年〜

2000年代以降、東京を中心に発展した、変拍子・タッピング・繊細なクリーンサウンドが特徴のインストゥルメンタル中心のロック。

どんな音か

変拍子(5/4、7/8 など)、タッピング・奏法、クリーン・トーンのギター、低く沈んだベース、複雑なドラム・パターンが組み合わさったインストゥルメンタル・ロック。ボーカルはない。曲は 4〜8 分程度で長尺。構成は『起承転結』ではなく『反復と変化』。音全体として『理知的』『無感情』『機械的』に聴こえるが、その『計算』の背後には『深い感情』が隠されている。

生まれた背景

2000年代初頭、東京周辺の若いバンド(toe、Mono など)が、アメリカ合衆国の Battles、本国のジャズ・フュージョン、プログレッシヴ・ロック、そして 1990年代の Slint などの 『math rock』の影響下に、独自の『日本的』な解釈を加えた。高度な技術性と『痛切さ』『美しさ』の両立が特徴。

聴きどころ

『拍子が何拍子か』を数えるのではなく、『パターンの繰り返しと変化』を追う。toe『グッドバイ』(2009) では、2 分地点の『ドラムの突然の変化』が構成上の転機。tricot『Tokyo Vampires & Wolves』(2014) では、ギターとベースの『会話』を聴く。『ビートを感じ』ながら『その複雑さに驚く』のが正解。

発展

2005年toe『The Book About My Idle Philosophy』が国際的に評価され、海外フェスにも招聘された。Anime/Game音楽との接続も多い。

出来事

  • 2005: toe『The Book About My Idle Philosophy』 / 2009: tricot結成 / 2010: LITE『For All The Innocence』

派生・影響

Math Rock、Post-rock、Midwest Emo、Anime Music。

音楽的特徴

楽器クリーン/タッピング・ギター、ベース、ドラム、ピアノ

リズム変拍子、ポリリズム、長尺ビルド

代表アーティスト

  • Mono日本 · 1999年〜
  • toe日本 · 2000年〜
  • LITE日本 · 2003年〜
  • mouse on the keys日本 · 2006年〜
  • tricot日本 · 2010年〜

代表曲

日本との関係

日本発祥のジャンルで、東京を中心に形成。ただし国内流通は限定的で、むしろ海外の progressive rock / experimental rock ファンが日本のバンドを再発見するサイクルが生まれている。

初めて聴くなら

toe『グッドバイ』(2009) は 4 分で完結し、構成が明確。落ち着いて浸るなら Mono『Goodbye』(2005)(同名異曲)。

豆知識

マスロック』という英語表記は『数学的』という意味だが、実際に数学を学習しているわけではなく、『複雑さ』『計算性』『非対称性』を象徴する呼び方。日本マスロック シーンは『感情の空白化』という特有の特徴があり、海外の マスロック とは別の潮流として認識されるようになった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1990年代2000年代日本のマスロック日本のマスロックポストロックポストロックマスロックマスロック凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
日本のマスロックを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

日本 · 2000年前後 (±25年)

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