ポップ

シャンソン

Chanson

パリ / フランス / 西ヨーロッパ · 1880年〜

20世紀のフランスで成立した、歌詞の文学性を重視した歌曲の伝統。

どんな音か

フランス語で歌う、文学的な歌詞を語るような歌唱で聴かせる伝統的歌謡。BPM 60〜120のゆったり。ピアノ、アコーディオン、ストリングス、アコースティック・ギター、ベース、控えめなドラム。ヴォーカルは男女両方、歌い上げず、語りに近いトーンで言葉を一つ一つ聴かせる。歌詞はフランス語、テーマは恋愛、別れ、パリの街、酒場、人生の苦み、社会観察、政治。録音は歌い手の声を最前面に置き、伴奏は控えめ。

生まれた背景

中世のトルバドゥール詩から系譜的に続く伝統。19世紀末のパリ・モンマルトルのカフェ・コンセールで「シャンソン・レアリスト(現実派シャンソン)」が成立。20世紀前半にエディット・ピアフ、シャルル・トレネ、モーリス・シュヴァリエが世界的スターになる。1950〜70年代がシャンソンの黄金期で、ジャック・ブレル、ジョルジュ・ブラッサンス、レオ・フェレ、シャルル・アズナヴール、セルジュ・ゲンズブール、フランソワーズ・アルディ、ジェーン・バーキンらが世代を作った。1990年代以降は商業的に縮小したが、現代では-M-、Christine and the Queens、Stromae(ベルギー)、Pomme、Clara Lucianiらが新しいシャンソンを更新している。

聴きどころ

言葉と音楽の関係。フランス語の韻律(ヴェルサイユの古典詩から続く伝統)が音楽の根幹。エディット・ピアフの場合、サビでの絞り出すような歌唱と、Aメロの語りの落差。ブラッサンスの場合、シンプルなギター伴奏の上で文学的な皮肉がたっぷり。録音は1950〜60年代のモノラル感を残すものが好まれる。

代表アーティスト

  • Édith Piafフランス · 1935年〜1963
  • Jacques Brelベルギー · 1953年〜1978
  • Serge Gainsbourgフランス · 1957年〜1991
  • Joe Dassinフランス · 1965年〜1980

代表曲

日本との関係

1950年代から日本でも「シャンソン喫茶」が銀座、新宿、神保町に多数あり、独自のシャンソン文化を築いた。芦野宏、岸洋子、なかにし礼、越路吹雪、銀巴里(銀座のシャンソン喫茶、戦後の伝説)。中島みゆき、椎名林檎、Salyu、青葉市子らに広い意味でのシャンソン的感性が継承されている。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Édith Piaf『La Vie en Rose』(1947)。シャンソンの世界的代表。Charles Aznavour『La Bohème』(1965)、Jacques Brel『Ne Me Quitte Pas』(1959)、Serge Gainsbourg『Je T'aime... Moi Non Plus』(1969)、現代なら、Stromae『Alors on danse』(2010)。

豆知識

シャンソン」はフランス語で単に「歌」を意味する。日本では「シャンソン=フランス語の伝統的歌曲」を指す狭義の意味で使われるが、本国フランスでは現代ポップも「chanson française」と呼ぶ。エディット・ピアフは身長142cmと小柄、生涯で何度も大きな悲劇(子供の死、恋人の事故死)を経験し、その人生がそのまま歌になったとされる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1880年代1980年代シャンソンシャンソンフランス語ラップフランス語ラップJ-POPJ-POP凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
シャンソンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

フランス · 1880年前後 (±25年)

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