グリッチ
1990年代後半、デジタルエラーやサンプル破壊を音楽素材として用いる電子音楽。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
音の美しさより、傷の形を聴く。短いクリックが拍を作るのか、ただの破片として浮くのか、ノイズがいつ音程を持つのかに注目したい。音量差が大きい作品もあるので、小さな音を追える環境で聴くと細部が見える。
発展
Raster-Noton一派は更にサウンドアート/インスタレーション分野へ拡張、Fenneszはアンビエント側に発展。
出来事
- 1995: Oval『94diskont』 / 2000: Cascone論文 / 2001: Fennesz『Endless Summer』
派生・影響
Microsound、Lowercase、IDM、Sound Art。
音楽的特徴
楽器DAW、Max/MSP、CDスキッピング、デジタルノイズ
リズムテンポ可変、デジタルエラーをリズム化
代表アーティスト
- Oval
- Fennesz
- 池田亮司
- Alva Noto
- Pole
代表曲
- Do While — Oval (1995)
- Endless Summer — Fennesz (2001)
Dataplex — 池田亮司 (2005)
Steingarten — Pole (2007)
Xerrox Vol. 2 — Alva Noto (2009)
日本との関係
初めて聴くなら
初期の感覚を知るなら「Do While — Oval (1995)」。ノイズとメロディの境目なら「Endless Summer — Fennesz (2001)」。データそのものを聴く感覚に近づくなら「Dataplex — 池田亮司 (2005)」がよい。
豆知識
グリッチは本来、機械や信号の一時的な不具合を指す言葉。音楽では、失敗として捨てられるはずの音を、時代の質感として聴き直す態度が重要になった。CDの傷、バッファの乱れ、データ圧縮のざらつきまで素材になるため、デジタル機器が普及した時代の民芸のようにも聴ける。
